スーパー戦隊シリーズ第43作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は、2019年3月から2020年3月までテレビ朝日系にて放送され、子どもたちを中心に大好評を博した。人間のマイナス感情などを利用して、怪物「マイナソー」を生み出す戦闘民族ドルイドンと戦い、人々を守る使命を帯びた6人のヒーローの活躍を描いた本作では、"強さ"の象徴「恐竜」に"正しさ"の象徴「騎士」を組み合わせたヒーローキャラクターが創造された。

  • 尾碕真花(おさき・いちか)。2000年生まれ、高知県出身。2012年、第13回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。2018年まで、ガールズユニット「X(エックス)21」のメンバーとして活動し、テレビドラマ『さくらの親子丼2』(2018年)、『仮面ライダージオウ』(2018年/第13、14話)、映画『ちはやふる―結び―』(2018年)など、話題の作品に出演している。撮影:大門徹

従来のスーパー戦隊シリーズでは、テレビが最終回を迎えた直後に「ファイナルライブツアー」と称して全国各地をめぐるアクションショーが開催されることになっていたが、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう政府の緊急事態宣言を受けて、全公演が中止となってしまった。

しかし「ファイナルライブツアー」の開催を楽しみにしていた全国の『リュウソウジャー』ファンの思いに応えるべく、このたび、ドラマCD『「騎士竜戦隊リュウソウジャー ファイナルライブツアー」おはなしCDスペシャルセット』(5,000円/税込)として発売されることが決定した。

今回は、明るいキャラクターと高い戦闘力でリュウソウジャーを引っ張るリュウソウピンク/アスナ役の尾碕真花がインタビューに登場。一年の出演を経た自身の変化、そしてCD化が決定したFLTについて聞いた。

――尾碕さんご自身が『リュウソウジャー』に参加して、特に成長を感じたのはどんなところでしょう。

お芝居に関しては、以前はカメラの前に立つと緊張してしまい、事前に考えていたことがうまくできないことがありました。でも終盤はいい意味で慣れてきていて、自分のやりたいことをカメラの前でも出せるようになったことが自分の中では大きいですね。

もう一つは人との関わり方の面です。今まではどちらかというと、そんなに人と関わっていかなくてもいいやという感じだったんです。でも、リュウソウジャーのメンバーとずっと一緒にいて、みんなすごくいい人たちなので、一緒にいるうちに自分もいい方向に変わってきているというか、大人になってきたような気がします。

――みなさん最初から打ち解けていた感じですか? またメンバーの中で盛り上げ役はどなたなのでしょう。

最初から仲良くフランクに接することができる関係性でした。みんなの中ではメルト役の綱くん、カナロ役の兵頭くんがボケ役で、ムードメーカー。たまに私もそのボケに乗っかったりするんですけれど、だいたいツッコミ役だと思います。

――尾碕さんの中で、特に印象に残っている回はどれですか?

加藤弘之監督の組の第42話「決戦のステージ」ですね。カナロとアスナが棒読みで「ロミオとジュリエット」を演じるという。メルトとトワはワイズルーのバックダンサーになって。最終話に近づいているとは思えないようなギャグっぽい回だったのでおもしろかったですね。クリスマス回もそうですが、後半になってコスプレをする機会が増えています。

――第33話「新たなる刺客」で描かれたナダの死は、一つの大きな山場でしたね。

第32話「憎悪の雨が止む時」第33話「新たなる刺客」は、上堀内佳寿也監督の組でした。監督の色が特に強く出ていた回でしたよね。私にとってもすごく楽しい経験でした。勝手に言っていることなんですけれど、私は上堀内監督と相性がいいと思っているんです。私たちの意見も聞いてくれて、その上でさらにすごい演出方法を提案してくださるので、本当に信頼しています。「こういうふうにやってみたら」「こうしてみよう」という指示に対して、「え、それをやるんですか!?」みたいになることがあまりない。案をいただくと、「そんな考えがあるんだ!」って一番感じる監督なので、毎回吸収するものが多くて、すごくやりがいがあります。私の中で、もう一歩、二歩くらい進んでいけたような気がするんです。

特に第32話「憎悪の雨が止む時」で、コウがガイソーグの鎧に触ったら、みんなにナダの記憶が流れ込んでくるというシーンがありましたよね。個人的には、あそこが大きく印象に残った撮影でした。ナダに訴えかけるバンバ役のタツ兄(岸田タツヤ)の演技があり、それを受けてさらに全員でいいものを作り上げようと集中していました。"ナダの記憶を私たちの表情だけで放送する"という演出は、本番まで知らされていなかった演出方法だったんです。だから、「ナダの回想はあえて放送せず、表情だけで表現するから、ここは君たちの表情にかかっている」と圧をかけられてはいたんですけれど(笑)。プレッシャーというよりは、「よし、やってやるぞ!」という気持ちで臨んだので、楽しかったです。