紅組全勝の永瀬二冠は本田奎五段と、白組全勝の藤井七段は阿部健治郎七段と対戦
木村一基王位への挑戦権を争う、第61期王位戦挑戦者決定リーグ(主催:新聞三社連合)の最終5回戦が6月13日に東京・将棋会館で行われます。新型コロナウイルス感染拡大防止策のため、長く中断していたリーグがついに再開です。明日ですんなり紅白リーグ優勝者が決まるのか、それともプレーオフへもつれこむのか、現在の状況を確認していきましょう。
【紅組】
4勝0敗 永瀬拓矢二冠
3勝1敗 豊島将之竜王・名人
佐々木大地五段
1勝3敗 鈴木大介九段
本田 奎五段
0勝4敗 佐藤秀司七段
永瀬二冠が4連勝でリード。それを豊島竜王・名人と佐々木五段が1敗で追っています。最終局ではその1敗同士の対戦が組まれており、勝者がリーグ残留を決め、プレーオフへの進出の可能性を残します。一方、敗者は降級となってしまう鬼勝負です。
全勝の永瀬二冠は勝てば文句なしの優勝、敗れてもプレーオフです。対戦相手は本田五段。両者は過去に1度棋王戦予選で対戦があり、本田五段が勝利しています。本田五段はその後も勝ち進み、棋王戦挑戦者にまでなりました。
【白組】
4勝0敗 藤井聡太七段
3勝1敗 羽生善治九段
菅井竜也八段
1勝3敗 稲葉 陽八段
上村 亘五段
0勝4敗 阿部健治郎七段
実は紅組も白組も状況はほとんど同じです。こちらは藤井七段が無傷の4連勝。王位獲得経験者の羽生九段と菅井八段が1敗で、両者は最終局で激突します。勝てばプレーオフ進出の可能性を残し、負ければ降級の重要な一戦。特に羽生九段は、初めて王位リーグ入りを果たした1993年度の第34期以来、一度もリーグ陥落がありません。この記録が継続するのか、注目です。
藤井七段の最終戦の相手は阿部七段です。勝てば優勝、負ければプレーオフという状況は永瀬二冠と同じ。初参加の王位リーグでいきなりリーグ優勝を果たしてしまうのでしょうか。
【その後の日程】
もしプレーオフにもつれこんだ場合は、リーグ最終局の2日後の15日に対局が実施されます。また、挑戦者決定戦は23日に行われます。
永瀬二冠と藤井七段としては当然、最終局に勝利してすんなり挑戦者決定戦に進出したいところでしょう。特に藤井七段は対局スケジュールが過密となっています。
藤井七段は8日に棋聖戦第1局を戦った後、中1日の10日には王座戦二次予選を戦いました。そして明日の王位リーグ最終局は中2日での対局です。もしプレーオフを回避できれば、次の対局は20日の竜王戦ランキング戦3組決勝となるので、しばらく対局間隔を空けることができます。