6月10日 (米国時間) のNASDAQ市場で、米Appleの時価総額が米企業で初めて1.5兆ドル (約160兆円)を突破した。

新型コロナウイルスの流行で2月〜3月に急落した米株式相場は、景気対策や経済活動再開への期待から4月以降に急回復。在宅勤務、オンライン会議、遠隔診療、フードデリバリーの利用など、新型コロナウイルス禍による人々のライフスタイルの変化を受けて、IT企業が多く上場するNASDAQ市場に投資資金が流入し、同市場は10日に初めて終値で10,000台に乗せた。

新型コロナウイルス禍でも途切れることなく新製品を提供してきたAppleの株価は、3月後半から上昇を続けていた。直営ストアの営業再開、5月の米雇用統計における失業率の予想以上の低下などからWells FargoのAaron Rakers氏がApple株のターゲットを315ドルから385ドルに引き上げ、Apple株は6月に上昇ペースを加速させて時価総額1.5兆ドルを一気に達成した。

  • 昨年12月から6カ月のApple株価の推移

    昨年12月から6カ月のApple株価の推移

ただし、米連邦準備理事会 (FRB)が10日のFOMCにおいて米国の雇用回復に時間がかかる見通しを示したことで、投資家の間にリスク回避の動きが広がっている。11日のNASDAQ市場は売り優勢で始まり、Apple株も下落した。