ファーウェイ・ジャパンのAndroidタブレット「HUAWEI MatePad Pro」が発表されました。優れたハードウェアでiPadのライバルともなりえる製品でありながら、Googleサービスを搭載しないという弱点を抱えたタブレットをチェックしてみました。

Google Play(からのアプリのインストール)や、Google系のアプリは使えませんが、Webブラウザを使ってGmailやYouTube、Google検索を利用することは可能です。各種アプリは、ファーウェイのアプリストア「AppGallery」から入手します。また、アマゾン公式の「Amazon App Store」アプリにも対応していて、アマゾンのプライム会員であれば、アマゾンプライムビデオのアプリやKindleのアプリを利用可能です。Amazon App Storeアプリは、MatePad Proの標準ブラウザでアマゾン公式サイトにアクセスしてダウンロードします。

  • ペンやキーボードが使えるタブレット「HUAWEI MatePad Pro」

MatePadシリーズには、今回取り上げるMatePad Proのほか、ミドルレンジの「MatePad」、エントリーの「MatePad T8」という全3モデルがあります。MatePad ProとMatePadは6月12日発売、MatePad T 8は7月初旬の発売予定です。推定市場価格(税別)は、MatePad Proが59,800円、MatePadのWi-Fiモデルが29,800円、LTEモデルが36,182円、MatePad T 8が13,900円となっています。各モデルの概要は、別記事『ファーウェイ、Androidタブレット新シリーズ「MatePad」を3モデル』をご覧ください。

強力なハードウェア

MatePad Proは、一般的なタブレットよりもやや大型の10.8インチというディスプレイを搭載。解像度は2,560×1,600ドットと高精細で、明るくメリハリのきいたディスプレイです。このサイズ感を実現したのは、ベゼル幅を極限まで細くしたから。最小幅は4.9mmで、画面占有率は90%に達しています。

  • 大画面と狭ベゼルのMatePad Pro。10.8インチと微妙なサイズですが、ベゼル幅が狭いのもあって没入感が高くなっています

「ほとんど画面」という見た目ですが、外観はモダンな印象。通常はベゼルに埋め込まれるインカメラは、スマートフォンで一般的なパンチホール型となっていて、画面内に配置しています。好き嫌いの分かれるデザインでしょうが、上部の通知バー付近にあるため、それほどジャマには感じません。

  • パンチホール型のインカメラを搭載

  • こちらは背面のメインカメラ。スマートフォンで一般的なデュアルカメラではありませんが、AF機能は搭載しています

  • フラットでシンプルなデザイン。生体認証として顔認証機能を搭載しています

  • 本体背面はロゴとカメラだけというシンプルさ

  • 本体側面

大画面のメリットは、なんといってもコンテンツの閲覧能力です。画面のアスペクト比は16:10で、一般的な横長動画では上下に黒帯が残りますが、基本的には扱いやすいアスペクト比です。そして10.8インチと大きく、ベゼル幅が細いので没入感があります。

  • 動画用のビデオアプリ。ローカルの動画ファイルに加えて、Netflixのプロモーション動画なども視聴できます

高解像度なので電子書籍も読みやすく、写真も高画質で細部までよく確認できます。こういった点はハードウェア能力がカギを握っていますので、その点でMatePad Proは十分以上の性能といえます。

  • 手塚治虫『ブラックジャック』の目次ですが、高解像度・大画面で小説からマンガまで快適に読めます

サウンド面は、4つのスピーカーとHarman Kardon監修のチューニング。タブレットとしては音質も音圧も十分で、映画にも音楽にも適しています。

個人的には、Qi準拠のワイヤレス充電に対応しているのはポイントです。ワイヤレス充電対応スマートフォンが増え、筆者の自宅にはワイヤレス充電器がたくさん転がっています。Pixel StandやGalaxy向けのワイヤレスチャージャーのような、スマートフォンを立てかけて充電できるタイプの場合、MatePad Proをそのまま置けば充電できます。手に持って動画を見ていて、バッテリーが減ったら充電器に置いて映像を見続けるといった使い方も便利。わざわざ充電ケーブルをつなげる必要はありません。

  • MatePad Proのワイヤレス給電機能をオンにすれば、Qi対応機器を充電できます。バッテリー容量が大きいので、スマートフォンも十分充電できます