東京商工リサーチは6月9日、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(6月9日17時現在)を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは全国で229件(倒産165件、弁護士一任・準備中64件)に上ることがわかった。
従業員被害者数、8,000人を上回る
新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件から、4月は84件に急増し、5月も83件発生。6月は9日までに37件発生しており、このペースが続くと月間100件を突破する可能性もある。
都道府県別にみると、福井県、和歌山県、鳥取県、高知県、長崎県の5県を除く、42都道府県で発生。このうち、最も多いのは東京都の49件(倒産44件、準備中5件)で、以下、大阪府22件(同15件、同7件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡県12件、兵庫県10件と続いた。
業種別では、インバウンド需要の消失や旅行・出張の自粛が響いた宿泊業、休業要請などで損害が発生した飲食業が各35件で最多。百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連も27件発生し、個人消費関連の業種が上位に並んだ。この他、食品関連が31件、冠婚葬祭業7件、パチンコホール3件など、幅広い業種に拡大している。
経営破たん企業のうち従業員数が判明したのは220件。従業員被害者数は計8,008人に上り、非正規を含めた雇用喪失はこの数倍に及ぶとみられるという。
緊急事態宣言の解除後、休業要請は緩和されたものの、制度融資で一時的に資金繰りを凌いだ企業の経営破たんも発生している。同調査では、「政府が提言する『新しい生活様式』は中小・零細企業のビジネスモデルの抜本的な見直しを迫るもので、迅速な資金支援に加え、長期的な経営支援も欠かせない」と指摘している。