加藤桃子女流三段の猛攻をしっかり受け止め、電光石火の反撃で決着
里見香奈女流王位に加藤桃子女流三段が挑戦する、第31期女流王位戦五番勝負第2局(主催:新聞三社連合)が関西将棋会館で行われました。第1局を制した里見女流王位が連勝で防衛に王手をかけるのか、挑戦者の加藤女流三段がタイとするのか、注目された一局は110手で里見女流王位の勝利となりました。
第2局の戦型は、第1局と同様に里見女流王位の中飛車美濃囲い対加藤女流三段の居飛車穴熊になりました。両者の得意戦法ということもあって、序盤は猛スピードで進行します。対局開始からわずか20分ほどで双方駒組みを終え、里見女流王位が仕掛けていきました。
この仕掛けに対して、加藤女流三段は最も強気に対応し、激しい戦いに突入しました。加藤女流三段は飛車角交換から角を敵陣に打ち込み、次いで自陣の角を切って里見女流王位の美濃囲いに襲い掛かります。里見女流王位は丁寧に丁寧に相手の攻めに対処し、崩れません。
加藤女流三段の攻め、里見女流王位の受けという構図で指し手が進んでいきますが、次第に加藤女流三段の攻めが切れ模様になっていきました。攻めの手が緩んだタイミングで里見女流王位が反撃に出ます。加藤女流三段の穴熊は銀2枚しかないためもろく、歩のくさびが入っただけで一気に弱体化。さらに里見女流王位は飛車を馬取りに打ち下ろし、攻撃の手を緩めません。
加藤女流三段は馬取りを放置して、なんとか食いつこうとします。ですが最後まで里見女流王位は冷静でした。攻め駒を一つ一つ除去して万全の形にしてから、蓄えた駒を用いて加藤玉を即詰みに打ち取りました。
この勝利で里見女流王位は無傷の2連勝。防衛まであと1勝としています。加藤女流三段はここまで結果が出ていませんが、タイトル獲得8期の実力者。先日まで行われていた、第13期マイナビ女子オープン五番勝負では西山朋佳女王相手に2勝3敗と善戦しています。一つ勝てば流れが変わることも十分に考えられます。
第3局は6月17日に関西将棋会館で行われます。女流棋界の絶対王者、里見女流王位がこのまま押し切るのか、それとも加藤女流三段が食い下がって反撃を開始するのか、注目です。