カシオ計算機は6月9日、関数計算やグラフ描画ができるオンライン学習ツール「ClassPad.net」の提供を開始した。利用プランとして、FREE、BASIC、PLUSの3種類を用意。価格はFREEとBASICが無料、PLUSが有料。
なお、新型コロナウイルスの影響によって需要が高まっているオンライン授業に利用できるよう、すべての機能を2020年8月31日まで無料公開する。9月1日以降は、PLUSプランが有料となる予定。発表時点では、PLUSプランの料金は年額で24.95米ドル(決済時点で日本円に換算し、日本の消費税を加算)となっている。
FREEプランはユーザー登録不要で、関数計算・グラフ・統計・作図といった機能を提供。BASICプランも無料だがユーザー登録とログインが必要となり、描画したグラフや計算結果などの保存・共有が可能だ。有料のPLUSプランはより高度な機能を備え、数式処理(CAS)や手書き数式入力が加わる。高校や大学で学ぶような数学まで想定している。
Webブラウザで利用
ClassPad.netは、Webブラウザで利用するWebアプリケーション。利用シーンとして、電子黒板を使った動画配信型のオンライン授業において、ClassPad.netからグラフや図形を投影し、板書の時間を短縮するといった効率化が図れる。係数の増減によるグラフの傾きや変化などを、動かしながら生徒に見せられるため理解も進む。
Web会議システムを使った双方向型のオンライン授業においては、ClassPad.netを生徒と共有できるため、資料の用意など事前準備の必要がない。授業中に作成したグラフや図形は、URLで生徒と共有する機能もある。
グラフや図形、表の作成は直感的な操作。問題や解答欄を付箋で貼り付け、オリジナルの教材なども作れる。グラフ機能では、一次関数や二次関数だけでなく、三角関数、指数関数、対数関数などのグラフ化もサポート。スライダー機能では、式中の係数の変化によってグラフがどう変わるかを確認できる。
ほか、2つの要素(x、y)からなるデータ群を散布図としてxy平面に表示する統計と分析機能や、三角形の内角の和や三角形の合同条件など、様々な初等幾何学の定理や問題を検証する幾何機能も備えている。