緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ予断を許さない状況は続いています。そしてまた、働き方にも変化が出てきています。これまで会社へ通勤をして仕事をするスタイルが一般的でしたが、在宅勤務が推奨されるようになり、テレワークやリモートワークをする人が増えています。私自身も対面での仕事から、電話、ZoomやMicrosoft Teamsといったオンライン会議アプリを使っての仕事が増え、同時に在宅時間も増えました。
通信回線とパソコンやタブレット端末、スマートフォンがあれば、どこにいても仕事ができるのは魅力です。しかし、在宅勤務に伴い在宅時間が増えることによって水道・光熱費も増えがちです。今までは会社で勤務している場合の水道・光熱費は当然会社もちだったのが、会社からの補填がない限り、今後は個人がもつことになります。さらにこれから夏を迎えるにあたって、電気代や水道代がかさみます。
そこで今回は、夏にかかりやすい水道代とエアコン代の節約ポイントをご紹介します。
節水のコツ
在宅時間が増えるとトイレや炊事、シャワーといった水の使用量が増えがちです。主な水道の使われ方を見ると、風呂>トイレ>炊事>洗濯の順番となっています。すなわち、お風呂の水をメインに節水をすると効果も高くなります。
水は一旦流れてしまうと、戻すことはできません。夏は水が気持ち良いですが、流しっぱなしをやめて、まずは桶やコップなどに溜めて使うことで節水につながります。
家庭での水の使用量が一番大きい風呂は、浴槽に湯を張ってその水を最後まで無駄なく使うのが節水につながります。例えば、残り湯を洗濯や掃除に使って、日没後に庭やベランダへの打ち水として利用すれば、ムダがありません。
家族の人数が多い場合は、節水シャワーヘッドを付けることをおすすめします。水圧が高くなるので節水につながります。表示の節水率や機能によって値段は変わりますが、節水率が50%以上のものを選ぶといいでしょう。購入する際は、メーカーを確認して対応するシャワーヘッドを選ぶようにしましょう。
トイレの節水は、大と小を使い分けるだけでOKです。古い水洗トイレは水の使用量が多く、例えば大手メーカー・TOTOですと、1987~2001年のモデルは大13Lですが、最新モデルは大4.8Lとその差8.2Lです。最新型の節水型の器に交換することも検討してみてはいかがでしょうか。
ほかにも食器を洗う際に食洗機を使うと節水につながります。食洗機がなくても、洗った食器をすすぐ際、洗い桶の中に大きいものから順にタワー式に食器を重ねてから、小さいものから順に鉛筆1本分程度の細さの水で洗い流すと少ない水でも効率的にすすぐことができます。
節電のコツ
夏の日中(14時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のグラフを見てもわかるように、エアコンが全体の電力使用量の60%近くを占めており、次が冷蔵庫です。日中の節電のコツはエアコンの使い方がカギになってきます。
エアコンを上手に使うコツの一つに、家庭内クールシェアがあります。家族が各々の部屋でエアコンを付けてしまうと、電気使用量が増えます。リビングのエアコン1台で家族が集まって過ごすことで、節電につながります。
エアコンの冷房運転の設定温度は26℃から28℃へ2℃上げ、扇風機を併用すると、節電かつ快適さを保つことができます。エアコンのみ26℃で運転した場合を100とした場合、28℃設定+扇風機で22%の節電になります。このとき、扇風機は頭を下に下げて首振り運転をすると、下に溜まった冷気が撹拌され、また冷気が扇風機から出る風が身体に当たることで涼しさを感じられます。
そして、2週間に1回はエアコンのフィルターに付着したホコリを掃除機などで吸い取って掃除をして、冷房効率を上げるようにしましょう。
窓を見直して効率的にエアコンを使う
冷房でせっかく冷やした空気も、窓ガラスを通して逃げていってしまいます。それに夏場は外からの熱が窓ガラスから入ってきます。冷房を付けてもなかなか涼しくならない際は、思いきって厚手のカーテンを閉めるのも手です。遮光カーテンを使えば、外から入ってくる熱を遮断できます。葦簀(よしず)やすだれを窓の外にかけて日陰を作るのも効果的です。
西日対策として出かける前に、遮光カーテンを閉めてから外出すると、外からの熱気を抑えてくれます。帰宅してからはすぐに冷房を付けるのではなく、一度窓を開けて換気扇を回して部屋にこもった熱気を逃がしてから、エアコンのスイッチを入れるとよいでしょう。
また古いエアコンは、最新式のものに比べると消費電力が高いため、購入から10年以上経っているものであれば、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。リビングなど、利用時間や利用人数が多い場所のエアコンから買い替えると、節電効果が高くなります。最新のエアコンは、消費電力だけではなく機能や性能も向上しているので、より快適に過ごせるでしょう。
水道・光熱費は、つけっぱなしや流しっぱなしにしないといった節約行動を習慣にすることが大切です。在宅時間が増えがちなときこそ、日ごろの行動に注意をしてみましょう。