東京商工リサーチはこのほど、2020年5月の「パチンコホール」倒産状況を発表した。それによると、5月のパチンコホール倒産は2件(前年同月比100.0%増)となった。

倒産件数、前年同期比2倍に急増

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2020年1月~5月の累計は12件(同100.0%増)に達し、前年同期(6件)と比べて2倍に急増した。同調査によると、年間倒産件数は2014年以来、6年ぶりに30件を突破する可能性もあるという。また、新型コロナウイルス関連では5月までに3件が倒産している。

主な倒産事例をみると、4月15日に破産申請した赤玉(愛知県)は、事業承継の可能性が評価され、管財人が民事再生法の適用を申請。一方、楽商事(群馬県)は、休業中に営業再開の見通しが立たず4月30日に破産を申請した。昨年からスポンサー交渉を進めていたが、新型コロナの影響で交渉が破談、事業継続が困難となったという。

政府は、5月から政府系金融機関や信用保証協会の融資や保証の対象を、パチンコホールにも拡大。また、警察庁は2021年1月まで有効だった旧規則の遊技台入れ替えの期限を1年延長した。これらの措置により、廃業や倒産を一時的には抑制する効果も期待されるが、同調査では「2カ月に及ぶ休業や、感染予防対策での稼働率低下など、経営環境は依然として厳しい。資金力の乏しい中小・零細のパチンコホールの淘汰は、これから本番を迎えそうだ」 とみている。