お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史が、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)の菊丸役で、俳優としての評価がグングン上がっている。
当初は神出鬼没な三河出身の農民として登場していたが、その正体が、竹千代(松平元康/徳川家康)の実母・於大とその実兄・水野信元に仕える忍びであることが判明。状況に応じてさまざまな顔を見せ、ここへきてシリアスな演技に注目が集まっている。
5月31日と6月7日の放送では、風間俊介演じる元康が今川軍の先鋒を任され尾張へと向かう矢先、「戦から身を引きなされ」という母・於大の手紙を菊丸が届け、菊丸も「織田につき、今川勢を退き、三河を再び三河のもの戻していただきとうございます。どうか!」と説得。だが、寝返ったところで斬り捨てられるのは三河と織田だと判断した元康は、今川軍として戦う決意を固めた。
ともに目を潤ませながら言葉を交わす2人のシーンは、「菊丸、元康のやり取りが泣ける」「於大の方の母としての気持ちと元康の揺れ動く心情、菊丸の三河への思いにまた涙」と感動を呼び、岡村の演技に対しても「岡村隆史の演技がうますぎる」「こんなに上手だったんだ、と見る度、感動してる」「菊丸のシリアスな演技めちゃくちゃ良いね……」「回を重ねるごとに演技うまくなってる」などと絶賛の声が上がった。
演出の一色隆司氏も「今回、若手俳優の様に、回を重ねる毎に役者として劇的に演技が良くなっているのが岡村さんです」と、岡村の俳優としての成長を称賛。「最初はすごく緊張されていたのですが、ものすごく努力してくださって、今日に至ります。最初の頃は、例えば、目上の方に話をする時は…とか、桂文枝師匠と話すときの気持ちで…などというような例え話をして演技の話をしていましたが、今では、菊丸の思いの在り方を話す中でしっかりと芝居を作り上げて下さいます」と変化を明かす。
そして、印象的だったシーンとして「15回の薬種問屋での駒と藤吉郎とのシーン」を挙げ、「佐々木蔵之介さんの芝居をみて、同じ台詞でもこういう風にいうとこうなるんですね…とおっしゃって、菊丸らしさの台詞…というのをものすごく意識してくださるようになりました」と、このシーンが岡村にとって転機に。「間の在り方やどういう思いを持ってその台詞を言うのかなど、今では菊丸として考えて演じて下さるようになっています。きっと岡村さんも裏でものすごく努力をして下さっているのだろうと感動しております」と語った。
さらに、20回と21回の菊丸と元康とのシーンについて、「風間さんの芝居をきちんと受けて自分の思いをぶつけるという心のやりとりをしっかりやってくださり、それができたからこそ菊丸という人間の思いが画面を通して見る側に伝わったのだと思います」と称えた。
(C)NHK