JR九州は、日田彦山線不通区間の復旧として今後整備するBRTの延伸を福岡県の小川洋知事が要望したことに関して、「最大限尊重しながら検討を進めたい」とするコメントを発表している。

  • 久大本線と日田彦山線が分岐する夜明駅(2018年7月の取材にて撮影)

日田彦山線添田~夜明間(29.2km)は2017年7月の九州北部豪雨で被災し、現在も不通となっている。JR九州と沿線自治体は復旧に向けた協議を進め、紆余曲折を経て昨年4月、JR九州が不通区間のBRT転換を沿線自治体に案として提示。今年5月、すべての沿線自治体が鉄道復旧の断念とBRTでの復旧に同意したと報じられていた。

福岡県の小川知事はすべての沿線自治体からBRT転換の同意を得られたことを踏まえ、6月2日にJR九州本社で青柳俊彦社長と会談。その席で、JR九州が示す彦山~筑前岩屋間(7.9km)をBRT専用道とし、残りの不通区間は一般道を走る案に替えて、専用道を南に延ばし、彦山~宝珠山間(14.1km)とする案を提示した。あわせて「ユニバーサルデザインで観光資源となる車体」の導入、駅舎と周辺の整備などの地域振興を求めた。

これを受けて、JR九州は「沿線自治体がBRTの復旧案でまとまったことは大変ありがたく、一歩前進であると考えている」と謝意を表明。彦山~筑前岩屋間をBRT専用道とする案について、「地域の交通体系にとって、利便性が高く持続可能なものとして考えたものである」としつつ、知事が提案する宝珠山駅までの延伸案を「最大限尊重しながら検討を進めたい」と表明した。