遠く離れた建設現場の建設機械(重機)を、自宅にいながらスマホで操作する――。こんなSF的なテレワークシステムを、東京大学発のスタートアップであるARAVなどが共同で開発し、事業化を開始したと発表しました。専用の重機を新たに用意する必要なく、既存の重機に後付けでシステムを搭載できるのが特徴。新型コロナウイルスの感染防止に役立つとしていますが、「建設現場は3K」のイメージが一掃され、若年層や女性からの注目も高まりそうです。

  • 油圧ショベルなどの大型重機を涼しい自宅からスマホで操作できるSF的なシステムが実用化された

今回開発した「建機Webコントローラー」は、インターネット経由で油圧ショベルなどの重機を操作するシステム。通信は携帯電話回線を利用するため、携帯電話回線が通じるエリアであればどこでも使えるのがポイント。重機には複数のカメラが搭載され、周囲の状況をリアルタイムに送信できます。

  • 既存の重機に後付で搭載できるのが特徴。通信は携帯電話回線を利用する

重機を操るオペレーターは、複数のディスプレイを搭載した専用のコントロールルームだけでなく、ノートパソコン1台でも、スマートフォンだけでも操作できるのがポイント。インターネット回線があれば、建設現場からどれだけ離れた場所でも問題ありません。猛暑などで建設現場が辛い状況でも、エアコンの効いた室内でラクラク作業に臨めます。

  • 専用のコントローラーや大型ディスプレイを搭載するコントロールルーム。本社などから全国の建設現場の重機を一括で操作できる

  • パソコンを用いた例。コントローラーは市販のゲームコントローラーを利用している

  • ノートパソコンにも対応。パソコンならば複数のカメラの映像を見ながら作業できる

  • スマホからの操作も可能。画面に現れるコントローラーで操作できる

新型コロナウイルスの広がりを受けてテレワークの普及が進みましたが、テレワークとは無縁だと思われていた建設現場でも徐々に広がっていくかもしれません。