ファーウェイ・ジャパンが「HUAWEI P40 Pro 5G」など、新スマートフォン3機種を発表しました。ハイエンドからエントリーモデルまでをカバーし、高度なカメラ機能やコストパフォーマンスをアピールします。

ほかにも、タブレットの新シリーズ、ノートパソコンの新モデル、完全ワイヤレスイヤホンの新モデルも発表されています。概要は別記事『ファーウェイ新製品発表会まとめ - SIMフリースマホ「P40 Pro 5G」や新タブレット「MatePad Pro」登場』をご覧ください。ここでは、少人数制で開催された体験会から、P40シリーズの実機レポートをお届けします。

  • ハイエンドスマートフォンの「HUAWEI P40 Pro 5G」

    ハイエンドスマートフォンの「HUAWEI P40 Pro 5G」、価格は108,800円(以下すべて税別の推定市場価格)

発表されたのはP40 Pro 5Gに加え、「HUAWEI P40 lite 5G」「HUAWEI P40 lite E」の3モデル。グローバルではP40シリーズの上位モデル「P40 Pro+」がありますが、残念ながら日本での投入は今回、見送られたようです。

  • 大型ディスプレイと背面にクアッドカメラを搭載。ディスプレイは約6.58インチ、2,640×1,200ドットです

  • 本体側面

P40 Proの大きなポイントはカメラ。独ライカカメラとの協業によるおなじみのライカレンズを採用。高画質な描写を実現しています。P40 Proでは、深度測位カメラ(ToFカメラ)を含む4つのカメラを組み合わせたクアッドカメラを採用。約5,000万画素のRYYBセンサーを使ったウルトラビジョン広角カメラ(35mm判換算23mm・F1.9)、約4,000万画素センサーの超広角シネマカメラ(同18mm・F1.8)、約1,200万画素のRYYBセンサーを使った光学5倍のペリスコープタイプカメラ(同125mm・F3.4)というシステムです。

  • 背面のクアッドカメラ。3つのカメラが並び、さらにその下の中央にあるのがToFカメラです

特に、メインの約5,000万画素RYYBセンサーは、スマートフォンでは最大クラスとなる1/1.28インチサイズのセンサー。ピクセルサイズは2.44μmとなり、iPhone 11 Max Proに比べて200%多く光を取り込めて、明るく低ノイズの撮影が可能とされています。5倍までの光学ズームに加えて、デジタルズーム併用で最大50倍までのズームが可能です。

AI機能による撮影機能も特徴です。Golden Snap、反射除去、通行人除去という3つの画像編集機能は、これまでアプリを使わなければできなかった機能を単体で実現しています。

  • 画面左下にある「◎」のアイコンがアニメーション写真。これをオンにした状態で撮影し、撮影後に編集機能からGolden Snapなどを実行します

【動画】Golden Snapは、自動的にベストショットを検出する機能。撮影後に編集ボタンを押すと、自動的にサムネイル表示され、ベストショットが明るく表示されます。そこから気に入った画像をチョイス
(音声が流れます。ご注意ください)

いずれの機能も標準のアニメーション写真機能を応用したもの。静止画と同時に2秒程度の動画を撮影する機能ですが、この動画の中からAIがベストショットを選ぶのがGolden Snapです。被写体の動きや表情などを検出して、動画の中から画像をピックアップしてくれます。

通行人除去は、静止したメイン被写体に対して、通行人のような動くものと背景をAIが認識し、通行人と背景を分離・合成することによって、静止した被写体と背景を記録するというものです。これまでも連写合成によって同様の仕組みはありましたが、スマートフォンカメラとして、単体で搭載した点が新しいといえます。

  • 通行人除去機能。表情などはベストショットとAI判定しているのですが、背後に通行人がいて残念な結果になっています

  • 通行人除去機能をタッチすると、まずは動画内の動きから通行人の存在を検出。通行人が認識されたらそれを除去するように合成を行います

  • 実際に通行人が除去されました

【動画】通行人除去の様子。アニメーション写真を撮影後、編集からベストショットが選択され、そこから選択した画像の通行人を除去できます。動画内では2回、除去に失敗しており、完璧とはいえませんが、ヒット率はまずまず高く、うまく除去できるとかなり効果的です
(音声が流れます。ご注意ください)

こうした機能は「見たままを記録する」というものではありませんが、写真というのは意図や編集が入るものです。せっかくの記念撮影に余計な通行人が入り込んでなかなか撮影できない、ということも多く、そうした場合に便利に使えそうです。ただし、消せるのは通行人が2人までで、メイン被写体に対して左右に動く通行人のみ、となっています。

  • インカメラも性能が高く、4Kセルフィービデオやベストボケセルフィーといった撮影機能を搭載しています

  • デュアルSIMに加えてeSIMもサポート

高コスパの5Gスマホ「P40 lite 5G」

P40 lite 5Gは、39,800円(税別)という想定価格ながら5Gに対応した、コストパフォーマンスに優れたスマートフォンです。ディスプレイは約6.5インチの2,400×1,080ドット、約6,400万画素の高画素カメラを含むクアッドカメラで、超広角やマクロの撮影も可能です。

  • 3色カラーのラインナップとなるP40 lite 5G

  • 大画面で縦長ディスプレイを搭載

  • 背面は派手なデザインです

  • 深度測位用のカメラを含む4カメラを搭載

軽量かつ大画面、カメラとしても必要十分、なおかつ5G対応ということで、5Gの高速通信を気軽に体験したいという人には最適でしょう。

  • 本体側面

2万円台のLTEモデル「P40 lite E」

P40 lite Eは、4G LTE対応のスマートフォンで、さらに安価な24,800円。カメラは約4,800万画素センサーを含むトリプルカメラ。1つは深度測位用カメラですが、超広角カメラと切り替えて撮影できます。

  • 2色展開のP40 lite E

  • こちらもディスプレイは大型。約6.39インチ、1,560×720ドットです。約176gと比較的軽いので、持ち運びしやすいサイズです

  • 輝く背面

  • トリプルカメラ。指紋センサーは背面にあります。P40 Pro 5Gはインディスプレイ指紋センサー、P40 lite 5Gは側面センサーと、機種によって異なっています

  • 本体側面

ファーウェイは米中の関係悪化の影響を受けて、Googleサービス(GMS)を搭載できなくなっています。結果、Google Playからアプリをインストールすることができません。その代わりにHMS(Huawei Mobile Services)を搭載して、ファーウェイが手がける「AppGallery」からアプリをインストールできるようにしています。ただし、通常のAndroidアプリは利用できないため、HMS用に開発者がカスタマイズしたアプリしか公開されていません。

AppGalleryには、LINEやNAVITIMEをはじめとした日本でもよく使われるアプリもあります。また、GmailやGoogleマップなどのGoogleサービス、TwitterといったSNSなどは、Webブラウザ(Web版)で利用可能です。AppGalleryとブラウザである程度、通常のAndroidのように使うことはできます。ただ、それでもこれまでのAndroidとまったく同じようには使えないため、購入を前にそうした点を理解しておきたいところです。