東京商工リサーチは6月1日、「新型コロナウイルス」関連倒産状況(6月1日17時現在)を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは全国で197件(倒産139件、弁護士一任・準備中58件)に上り、200件が目前に迫っていることがわかった。

5月は83件発生

  • 都道府県別破たん状況 6月1日17時現在(出典:東京商工リサーチWebサイト

新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件から、4月は84件に急増。5月も83件発生し、6月1日は17時までに5件確認された。

都道府県別にみると、42都道府県で発生。このうち、最も多いのは東京都の42件(倒産37件、準備中5件)で、唯一の40件台となった。以下、大阪府17件(同10件、同7件)、北海道16件(同14件、同2件)、静岡県11件、兵庫県10件と、5都道府県で10件を超え、空白県は福井県、和歌山県、鳥取県、高知県、長崎県の5県のみだった。

業種別では、宿泊業が33件(同24件、同9件)で最多。インバウンド需要の消失や国内旅行・出張の自粛でキャンセルが続いたという。次いで外出自粛の影響を受けた飲食業が31件(同18件、同13件)、百貨店や小売店の臨時休業が響いたアパレル関連が24件(同16件、同8件)と、個人消費に関連する業種が上位に並んだ。この他、休校やイベント休止などにより食品製造業も16件発生した。

同調査では、「新型コロナ感染拡大で事業活動が制限され、毀損した売上が回復するには時間が掛かる。さらに、事業再開には仕入資金や人件費などの立ち上げ資金が欠かせず、手元資金が乏しい小・零細企業・商店が、本格的な営業に至るまでには一時的な立替資金も発生する」と指摘。その上で、「政府の各種資金繰り支援策や助成金だけでなく、民間金融機関での返済猶予や経営指導など、長期的に企業に寄り添った支援が求められる」としている。