本多劇場グループ PRESENTS『DISTANCE』のソーシャルディスタンス囲み取材が1日に東京・本多劇場で行われ、本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎、本多劇場グループ代表の本多一夫、永島敬三、井上小百合、入江雅人、企画・脚本・演出の 川尻恵太、御笠ノ忠次が登場した。
今回の取材は同グループが、1日より営業を再開することから実施。コロナウイルス感染の危険性が未だある中、劇場の活動再開 第一弾として、1日〜7日の1週間、ひとり芝居の無観客生配信を毎日 日替わりで行っていく。井上小百合、入江雅人、伊礼彼方、柄本時生、小沢道成、片桐仁、小林顕作、近藤芳正 清水宏、鈴村健一、永島敬三が出演する。
この日は「ソーシャルディスタンス囲み取材」として、取材陣はマスク+フェイスシールド、検温、手指の消毒を施し、座席も1〜2席ずつ離した上で席と席の間に衝立を設置された状態に。さらに登壇者たちも距離を保った上で取材に応えることになった。
すでに配信を終えた役者陣は、「客席にお客さんがいないのは寂しいなと思ったんですけど、配信の向こうでいろんな想像力を使って見てくださったと思っていた」(永島)、「本当に楽しかったです。こういういろんなことが苦しい状況の中、本多劇場の舞台に立てたということが自分の人生にとって大きな出来事になるだろうなと思っていたんですけど、ただただ楽しんでしまった」(井上)、「演劇というものはなかなか敷居が高いので、こういう配信の形で日本中の人が見れる環境があるので、面白いと思って劇場に足を運んでくれたら、いいんじゃないかなと思います」(入江)とそれぞれに振り返る。
井上は改めて「真っ暗の客席を見ながら、今までお客さんが見てきてくれたことが、どれだけありがたかったことかというのをすごく実感しました」と感謝し、「今皆さんがいろんな気持ちを背負いながら生きてる状況だと思うんですけど、それでも誰かと泣いたり笑ったりして生きていきたいなって思う貴重な時間でした」と語る。
一人芝居も初めての上、稽古も極力リモートという状況で、「今までの舞台だったら何ヶ月もかけて舞台を作っていくというやり方をしてたので、初めてづくしで、大丈夫kなあという部分があったり、一昨日くらいに友達の前で号泣して」と告白。「『これ面白いよ』と気を紛らせて映画を見せてくれたんですけど、それが面白くなかったから余計に泣いた」と笑わせつつ、「確実に自分が成長したのを実感できましたし、もっと挑戦していきたいなと思いました」と意欲を見せる。号泣の理由については「セリフが詰まったら全て自分のせいだし、誰もフォローしてくれないし、今までは舞台上に何人かいたのにたった一人で立つのが未知だったので、よく分からなくて泣きました」と明かした。
総支配人の本多愼一郎は、「やっと今日演劇を見れた、その一言です。何も言うことはありません」と感無量の様子。「みなさんに感謝しかないです。やはり劇場というのは常にいろんな人が集まっていろんなことを集まって創作する場所」「1日でも早く集まっていただいて、演劇活動を再開できるようにと思って今日までやってきました」と心境を吐露する。「最初は無観客から始めまして、少しずつお客様に来ていただけるような環境を作りながら、いつかはわからないですが、100%のお客様を入れられるまで安全対策を行いまして、経営をしていきたい」と指針を示し、「生で演劇を見るという価値は今後とも変わらないですし、今回の配信が今後収入面でサポートしてくれる形になる」と新たな展開にも希望を見せた。