米Googleが検索のランキングシグナルに、Webサイトのユーザー体験を示す指標「Core Web Vitals」をとり入れる。新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮して、導入するのは2021年以降。正式導入が決まったら、少なくとも6カ月前にはアップデートに関する告知を行うとしている。

Core Web Vitalsは2週間前にChromeチームが発表したもので、Web体験の共通のシグナルである以下の3つを土台にWebサイトの健全性を測定する。ユーザーセントリックな指標だ。

  • Largest Contentful Paint:ユーザーがページのメインコンテンツを読めるようになるまでのスピード (読み込み)
  • First Input Delay:最初にページを操作しようとした時に感じる遅延や応答性 (インタラクティブ性)
  • Cumulative Layout Shift:ページがどのくらい安定しているように感じられるか。視覚的な安定性、予期しないレイアウトのずれの量を定量化 (安定したビジュアル)。

Googleは近年、ユーザーに軸足を置いてページ体験を重視し始め、これまで安全なブラウジング、HTTPS、モバイルとの親和性などを検索シグナルにとり入れてきた。ユーザー体験を向上させる要素は多様であり、これからは年ベースでページ体験に関わる新たなシグナルを追加していくという。Core Web Vitalsは、その土台になるものだ。

ただし、関連性の高いコンテンツが最も重要であることに変わりはない。同じようなコンテンツのサイトが複数ある場合、体験に優れたサイトがより検索結果の上位にランクされるが、コンテンツの関連性が低いページの評価が優れた体験で引き上げられることはない。

モバイル検索においても、トップストーリーのためのランキングにページ体験のメトリクスをとり入れる。そしてトップストーリーの要件から、AMP (Accelerated Mobile Pages)を外す。Googleは引き続きAMPをサポートするが、あらゆるコンテンツから最も優れたものを提示できるように、AMPに限らず全てのページを対象に、既存のランキング要因にページ体験を含めてトップストーリーを選ぶ。