JR東海は29日、東海道新幹線のセキュリティ向上に向けて、駅などの防犯カメラをネットワーク化し、一元的に監視する体制を整備したと発表した。これまでハード・ソフト両面でセキュリティの向上に取り組んできたが、今回、新幹線全17駅の防犯カメラ画像を24時間体制で一元的に監視する管理センターを5月29日に開所したという。

  • 管理センター内観(提供 : JR東海)

管理センターでは、駅の防犯カメラや指令所とネットワークが構築され、各駅での駅員の目の届きにくい箇所も含め、一元的な監視を実施する。指令所では事象発生時に駅の防犯カメラ画像を用いて状況把握することにより、より迅速な対応を可能とする。非常時には駅防犯カメラの画像を警察に伝送し、より迅速かつ適切に警察と連携した初動対応を行う体制を整える。

加えて、2020年3月から順次、指令所で列車内の防犯カメラ画像を個別に取得できるようにネットワーク化が進められている。車内で非常ボタンが扱われた場合、車内防犯カメラの画像を指令所へ自動伝送することで、より迅速な初動対応を可能とする。工事の完了時期は2021年9月を予定している。

車内防犯カメラのネットワーク化だけでなく、指令所から個別の列車の乗客に向けて直接車内放送ができるように設備改良も進めており、不測の事態が発生した際にも、乗務員が避難・誘導等の対応に専念できる体制を整えていくとしている。