インテージとクアルトリクスは5月29日、新型コロナウイルスの「働く人」への影響実態に関する共同調査の結果を発表した。最初に緊急事態宣言が発令された7都府県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)の全25業種を対象に、計3回にわたって時系列調査を実施した。
勤務継続意向、「製造業(自動車・バイク)」「医療」などで低い傾向
まず、「勤務時間」と「業務効率」の変化を調べると、第3回調査時点(5月12~15日)では前年に比べて勤務時間が減少し、業務効率が下がったと感じている業種が多いことが判明。特に「飲食店・宿泊業」では過半数の69%が「(勤務時間が)減っている」、約半数の49%が「効率が下がっている」と回答し、影響が大きいことがわかった。
新型コロナウイルスの感染拡大に際しては、従業員の健康や安全への配慮など企業や職場の姿勢が問われる場面も多くみられた。そこで、現在の勤務先への勤務継続意向を尋ねたところ、「製造業(自動車・バイク)」「コンビニ・その他小売業」「医療」「福祉」で勤務継続意向が低いことが明らかになった。
「製造業(自動車・バイク)」については、業績への影響が特に懸念されている業種であるほか、「コンビニ・その他小売業」「医療」「福祉」については、在宅勤務ができない環境であることが多い。同調査では、「感染の不安がある中で業務を続けざるを得ないことが、勤務継続意向が低い背景としてあるのかもしれない」と推測している。
さらに勤務継続意向とストレスの関係をみると、勤務先からの支援に満足している人は現在の勤務先で働き続けたいと思っているのに対し、抑うつや疲労を感じている人は勤務継続意向が低いことも判明した。
調査期間は第1回2020年4月21~23日/第2回4月28~5月1日/第3回5月12~15日。調査対象は20~59歳の会社員、派遣・契約社員、公務員、団体職員(経営者、会社役員、パート・アルバイトを除く)。有効回答は第1回1万279人/第2回9,274人/第3回8,661人。