Mali-G77比で25%の性能改善を果たしたMali-G78

次はMali-G78である。Mali-G77比で25%の性能改善とされている(Photo05)

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    Photo05:ちなみにMali-G77と同じ、Valhallアーキテクチャに基づく製品の第2世代品となるそうだ

Mali-G77が7コアから最大16コアまでの構成なのに対し、Mali-G77は最大24コアまでの構成をサポートする。25%、というのは先ほどのCortex-A78と同じく5nmプロセスを使っての数字であるが、同一プロセスを利用し同一条件でMali-G77と比較して、6%~17%のゲーム性能改善がみられる、としている(Photo06)

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    Photo06:煙とかガラス、ツリーなどの表現能力を向上、という事はパーティクルの処理とか割と細かい所の改良が追加されたのかもしれない

また、AI性能に関しても15%ほど向上としている(Photo07)

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    Photo07:15%というのはちょっと中途半端な数字で、具体的にどんな形で改良を施したのか興味あるところ

さらにゲーム開発者向けに新しく「Performance Advisor」が提供されることも明らかにされた(Photo08)

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    Photo08:要するにPerformance Profilerを核にボトルネックを分析するツールとみられる。Arm Mobile Studioの一部として無償で提供される模様だ。ただArm Mobile Studioではすでにstreamlineというプロファイルツールが提供されており、これとどう違うのかは現状不明

ところでMali-G88はプレミアムモバイル向けGPUだが、その下のグレード向け(Photo09)として、Mali-G68も同時にアナウンスがあった(Photo10)。こちらは最大6コアまで、という事になっており、1~6コアがMali-G68、7~24コアがMali-G78という使い分けになる模様だ。

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    Photo09:例えばMediaTekだと、プレミア向けというのは「DImensity 1000+」とかになる訳だが、その下にゲーミング向けの「Helio G85」などがラインナップされており、こうしたところ向けと思われる

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    Photo10:同一条件でMali-G78とどの程度の性能差があるのかは不明

前世代比で性能を2倍にしたEthos-N78

3つ目がEthos-N78である(Photo11)

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    Photo11:ただしEthos-N77もN78も、コア数によってピーク性能が変わるので、要するにEthos-N78では最大コア数を2倍(=32コア)に拡張した可能性もある

最大性能で2倍、効率25%アップ、DRAM帯域40%アップといった数字が並んでいる。こちらはさらに細かい情報が出てきていないので推察するしかないのだが、Performance Efficiencyが25%以上向上というのは、内部のコアの動作周波数そのものは据え置きにしており、プロセスの微細化により25%の省電力化が可能になった、という可能性が高い。

DRAM帯域については、これは何かしらアクセスの最適化を図るような仕組みが加わった様にも思えるが、こちらも詳細は不明のままだ。先も書いたように、5nmに移行することでエリアサイズは平均して50%ほど削減できる。その分、コア数をEthos-N77より増やすことは難しくない、という発想ではないかと思われる。

実際、Ethos-N77の世代では最大4TOPsが実現可能だったのが、Ethos-N78では10TOPsが視野に入っているとする(Photo12)

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    Photo12:大分Ethosのカバーする範囲が広がった感じになってきている

なおEthos-N78にもPerformance Advisorが提供される様になったそうである(Photo13)

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    Photo13:これまではArm Mobile StudioではEthosがサポートされていなかったらしい