新型コロナウイルス感染症問題が拡大するにつれ、人々に対して外出自粛が厳に求められるようになりました。4月に緊急事態宣言が出されてからはその度合いもより強いものとなりました。

その結果、交際している男女が頻繁に会う機会も奪われてしまいました。こうした環境の中、より信頼関係を強固にし、さらに親密度が増すカップルもいれば、残念ながら別れを選択するカップルもいます。同じ環境の下、なぜこうも極端に違いのある結果が出てしまうのでしょうか? 一段と仲良くなるカップルと、離別するカップルの相違は何なのでしょうか?

  • コロナで分かれるカップルと親密になるカップル、違いは?

    コロナで分かれるカップルと親密になるカップル、違いは?

足掛け30年にわたる2,000回以上の合コン経験を生かして、かつては17年外資系証券会社の営業マンとして、現在では男性向け恋愛アドバイザーとして活動する筆者が、この問題について解説します。

非常事態におけるカップルのカギは女性の心

まず認識しなければならないのは、今はコロナウイルス禍という世界的に重大な非常事態に直面しているという事実です。世の中の非常事態に直面すると、カップルは親密化が進むもしくは別れるという極端に異なる状態に帰結することが多いです。それは過去の歴史からも証明されています。

直近だと一番分かりやすい例は、2011年に発生した東日本大震災です。このとき、「震災婚」という言葉が生まれたように、未曽有の大災害がきっかけで結婚した男女が数多くいました。一方で、地震をきっかけに夫婦が別れる「震災離婚」という現象も起きました。

このように、非常事態に直面するとカップルに真逆の現象が発生する理由を解くカギは女性心理の大きな変化にあります。大地震や今回のコロナ禍のような状況下では、人間は死を大きく意識して誰しもが大きな不安に駆られます。このとき、より大きく不安を持つのは男性よりも女性です。

不安心理を持った女性は、交際中の男性がいれば、自然とその払拭を交際相手に求めるでしょう。その際に、相手男性が女性の望み通りの対応ができたり、女性と共通の価値観を持っていたりするのであれば、そのカップルの絆はより深まります。逆に、男性が女性の期待に応えられなかったり、女性が男性の持つ価値観と大きな隔たりを感じたりすると、そのカップルの信頼関係にはヒビが入ります。

非常事態時において死に対する大きな不安を抱えた女性は、パートナーである交際男性のことを自分でも気づかぬうちにより厳格に審査する傾向にあります。また、こうした非常時にこそ、人間思わず素が出てしまうものです。女性は、平常時には感じることのなかった交際相手の人として男としての本質を目の当たりにします。

平常時に相手男性に持っていた印象と、非常事態時に露見した相手男性の人間的本質に大きな乖離が見られれば、女性はその男性との恋愛関係を大きく見直すきっかけとなり得ます。その乖離がプラスであれば関係はより親密になり、マイナスであればその関係を絶つ選択肢が発生します。

女性が観察している3つのポイント

では、非常事態時に、女性は男性のどのようなポイントを観察しているのでしょうか。それは大きく申し上げると

(1)危機対応能力
(2)経済力
(3)弾力性

の3点です。

(1)危機対応能力

(1)の危機対応力とは、非常事態時における具体的な危機に対してどれくらい適切な対応をとるかということです。今回のコロナ禍であれば、例えば「マスクの在庫を沢山持っている」とか「食料の備蓄が1年分ある」という男性は危機対応能力が高い人間といえます。

また、緊急事態宣言下において、交際相手女性に対して「寂しいからちょっとでもいいから外で会おうよ」という男性と、「会えなくてつらいけど、お互いの命を守るために今は我慢して家に籠もっていよう」とステイホームを貫く男性。どちらがより高い危機対応能力を持っているでしょうか。これは言うまでもなく後者です。このように、男性の何気ない言動から、女性は男性の危機対応能力を察知し、それを恋愛を継続するか否かの判断材料としています。

(2)経済力

(2)の経済力も大事です。非常事態時には経済のマイナス成長がつきものです。その中でも、我々個人に関係が深いのが失業問題です。現に、雇用が流動的なアメリカでは、4月の失業率が14.7%(2月は3.5%)と1930年代の世界恐慌以来最悪の水準となりました。

日本においても、野村総合研究所の試算によると、今回のコロナ禍における景気悪化はリーマンショック時を超える可能性が高く、2020年の日本の失業率は6%を超え、戦後最悪の水準になる可能性もあるといいます。

このように、今後さらに悪化するであろう経済環境下において、女性はますますシビアに交際相手男性の経済力を重視するようになります。今までのように外出や集会が制限されたり、人と自由に会って会話できなかったりと、これから生活様式が大きく変わります。そのような状況下でも、雇用が持続されそうな職業、将来性のある職業、逆に利益が向上しそうな職業に就いている男性は、女性から経済力がある男性と判断され、選好される傾向が強まるでしょう。

(3)弾力性

(3)の弾力性は、柔軟性とも言い換えられます。変化に適応できる性質、融通に富む性質を持っているかということです。弾力性には大きく2つの意味があります。

まず1つ目は、女性に対する対応における弾力性。男性の中には、交際中の女性に対してマメに連絡をとらずに、1週間に1~2回程度のLINEのやりとりで済ませている方もいるでしょう。相手女性に大きな不満がないのであれば、平常時はそれでいいのです。

しかし、先にも述べたように非常事態時には、女性は心の中に大きな不安を抱えています。その気持ちに気づいて、普段はマメでないにもかかわらず、女性を安心させるために、密に連絡をくれる男性は、人の気持ちを慮ることができる気づかいのある素敵な男性と認識されるでしょう。

ましてや、今は様々なコミュニケーション手段が発達している時代です。LINEでメッセージを送るのもいいですし、電話して声を聞かせて会話するのもいいでしょう。ZOOMを使えば、お互いに顔を見ながら会話することもできます。たとえ、実際に会うことができなくても、最新のIT技術を活用すれば、女性の不安な心理を緩和することができます。そうした男性に対する印象はより高まるはずです。

2つ目は、仕事に対する柔軟性です。コロナの影響で、大多数の産業が大きくマイナスの影響を受けています。そんな中で、今まで行ってきた仕事のやり方を大きく変える弾力性を持った男性は、世の中の変化に対応できる社会的生存力の強い人間として女性に評価されるでしょう。

例えば、夜に店内営業しかしていなかった居酒屋がランチのデリバリーを始めるということがいい例です。また、テレワークも好例の1つです。今までは出社さえしていれば何となく仕事をしていた感じになっていましたが、テレワークでは仕事の成否がはっきりと分かりやすいです。テレワークという新しい勤務形態で、仕事の成果を出せる男性は、環境の変化に対して弾力性を持つ社会的強者と女性に認識されます。

今就いている仕事がコロナで大打撃を受けたのであれば、思い切ってコロナ禍でも需要の見込める業態に転職するのもいいでしょう。そうした社会の変化に対する迅速な適応ができる人間もまた大きな弾力性を持った男性です。

交際を続けるために

非常事態下や社会の生活様式が大きく変化する中で、オロオロすることなく柔軟に頭を切り替え、生き残るために迅速かつ適切な行動がとる男性が、大きな不安を抱える女性に強く求められています。

日本全国に出されていた緊急事態宣言も一応は解除されました。しかし、まだ特効薬やワクチンが開発された訳ではありません。また、季節が変わっての第2波、第3波の襲来も懸念されています。その観点からすると、コロナ禍は完全に収束したのではなく、今後長期にわたって警戒が必要です。

そのような環境の中で、今後交際を続けたいカップルはまずは男性が踏ん張ることが肝要です。ぜひ、素敵な女性と交際中の男性諸君におかれましては、相手女性に愛想を尽かされぬよう、本文でお伝えした「危機対応能力」「経済力」「弾力性」の3つをキーワードに、自身の男性的価値を高めることを推奨致します。