米国時間5月22日、NVIDIAはゲームエンジンの模倣を目的としたニューラルネットワークモデル「GameGAN」を発表し、プレイ動画から「パックマン」を再現したというデモが動作する様子を公開した。ゲームは人が遊べる状態のアプリケーションとして出力できるという。
機械学習の中でも「Generative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク、GAN)」と呼ばれる手法を採用した、コンピューターゲームエンジンを模倣することを目的として開発されたニューラルネットワークモデル。今回発表されたプロジェクトでは、NVIDIA Quadro GV100を4基搭載するNVIDIA DGXシステムを用い、パックマンのプレイ動画5万本を学習させることで、GameGANがゼロから人が遊べる状態のアプリケーションとして生成した。
学習データを提供し、GameGANから生成されたパックマンを実際にプレイしたバンダイナムコ研究所未来開発統括部長、堤康一郎氏は「結果を見て、私たちはとても驚きました。アイコニックなパックマンの楽しさを、ゲームエンジンもなしにAIが再現できるとは思ってもいませんでしたから。この研究は、ゲーム開発者が新しいレベルのレイアウト、キャラクター、さらにゲーム自体をも開発するという、クリエイティブなプロセスを加速できるようになる、魅力的な可能性を示しています」とコメント。
今回題材として用いられたパックマンは、1980年のリリースから今年で誕生40周年。NVIDIAによると、同プロジェクトで生成されたデモは「今年の後半」に、誰もが直接体験できる形での公開を予定しているとのこと。