長谷川博己主演のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜20:00~)の第19回「信長を暗殺せよ」が24日に放送され、織田信長(染谷将太)の部屋で絶命した弟・信勝(木村了)を、母親の土田御前(檀れい)が目にし涙するシーンが描かれた。
土田御前役の檀は「絶命した信勝を目にしたときは、何が起こったのか頭の中で理解できませんでした。戦国の世に生きる母としては血縁者同士で争うことも常である時代だからこそ、突然自分の子どもを失うかもしれない不安が付きまとっていましたが、信勝の姿を目にしたときはただただ涙が止まりませんでした」と撮影時の心境を告白。
「大切にしていた信勝を失った悲しみで、本番のときに自分自身、胸が苦しく途中で呼吸ができなくなるほど、辛いシーンになりました。呼吸困難になるのは自分の中では計算外でしたが、それほど土田御前として、信勝を心の拠り所にしていたし、大事に育ててきたので、自分の半身を失ったかのような苦しみを感じました」と振り返った。
そして、信長に近づいて両手で頬に触れ、「母も殺したのです・・・」と泣き崩れた土田御前。檀は「頬に触れるのは、私から監督に提案させていただきました」と明かし、「信長も自分の子ですが、弟をも殺してしまうような異質な存在である信長を産んだのは自分だということを土田御前として認識したかったんです。愛おしく思っている信勝に触れるのと、怒りや憎しみ、悲しみで信長に触れるのとで違いが出せたらと思いました」と説明。
さらに、「怒りや悲しみをぶつけるだけでなく、触れることによってこの親子の複雑さ、土田御前として何故こんな子が生まれてきてしまったのか、何故ちゃんと信勝のように育てることができなかったのかという思いが出せればいいなと。このシーンが土田御前と信長の決定的な絶縁のシーンでもあるので、見ている方にはこの親子もうダメだなと思っていただけるように演じました」と語った。
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