フィリップスの音波歯ブラシ「ソニッケアー」は、手磨きよりも歯垢除去力が高いことで評価の高い電動歯ブラシ。最上位機種の「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート」には、さまざまな最新技術が盛り込まれています。とはいえ、フラッグシップモデルは家電量販店での価格が30,000円前後(2020年5月現在)とそれなりに高価。
そんななか、フィリップスは5月25日にフラッグシップモデルから一部の機能を省略した「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン 9000」を発表しました。価格はオープンですが、推定市場価格は24,400円前後(税別)。スマートフォン連動機能といった先端機能を備えています。
専用アプリは歯磨きの「ログ」に特化
新モデルのソニッケアー ダイヤモンドクリーン 9000(以下、DC9000)は、比較的リーズナブルな価格ながら、ソニッケアーの最新機能を体験できる製品。ソニッケアーの最上位機種「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート」(以下、DCスマート)は、最新機能としてブラシヘッド認識機能とスマートフォンアプリ連動機能を搭載していますが、DC9000はこれらの機能を(アプリについては一部機能は限定的ながら)体験できます。
ブラシヘッドの認識機能とは、マイクロチップを内蔵した「RFID5対応ブラシブラシヘッド」を使った場合の機能です。対応したブラシヘッドを本体に装着すると、本体がブラシを自動的に認識します。
ソニッケアーシリーズは替えブラシの種類も多く、ブラシによって歯垢除去に特化したもの、歯のホワイトニングに特化したもの、あるいは舌磨き用のブラシヘッドなどがあります。ブラシ認識機能ではこれらのヘッドを自動認識し、ブラシの用途にあわせて最適なモードと強さレベルを自動で設定してくれます。
RFID5対応ブラシヘッドを使用した場合、替えブラシの最適な交換時期も教えてくれるのも便利。通常、ソニッケアーのブラシ交換時期は約3カ月ですが、自動認識機能を搭載したブラシの場合、ユーザーがブラシを使用した時間や、ブラッシングの圧力などを計算し、最適な交換時期を表示します。
もうひとつの最新機能がスマートフォンアプリとの連携。DC9000はBluetoothでスマートフォンと接続して、毎日の歯磨きをアプリに記録できます。記録の内容は、歯を磨いた回数や歯磨きにかけた時間、ブラッシング時の力加減など。
最近はランニングや睡眠状態などのログ(記録)を残す人も増えていますが、毎日の歯磨きもログを付けることによって、「歯磨きの時間が短いかも?」「力が強すぎる?」といった振り返りができて、歯磨きのモチベーションアップにもなりますね。
また、ブラッシングのたびにスマートフォンと接続したり、アプリを設定したりする必要はありません。ブラッシングのログはハンドル(本体)に一時記録できるため、時間があるときにスマホでアプリを開けば、記録した内容がアプリに反映されます。
最上位機種のDCスマートは、ハンドル内に位置センサーを内蔵しており、アプリと連携させることで「磨いた部分と磨いていない部分」を確認する機能を搭載しています。今回発表されたDC9000は、この機能は搭載していません。
歯磨きモードも少し異なります。DCスマートは、クリーン、ホワイトプラス、ガムヘルス、ディープクリーンプラス、舌磨きという5モード。対してDC9000は、クリーン、ホワイトプラス、ガムヘルス、ディープクリーンプラスの4モードです。
ソニッケアー上位機種で人気のグラス充電なども標準付属
DC9000は、ソニッケアーシリーズのプレミアムモデルということで、アクセサリーも充実しています(最上位機種とほぼ同等)。うれしいのは「充電器用グラス」が付属していること。これは一見するとガラスのコップに見える充電台で、コップに本体を挿し入れるだけで充電できます。充電時間は約24時間で、1回の充電で約2週間の使用が可能です(一日2回、2分間のブラッシング時)。
充電器用グラスのほか、充電器台、USB充電トラベルケース、USBケーブル、プレミアムクリーンブラシヘッドが標準で付属します。
最上位機種のDCスマートと付属品が違うのは替えブラシの数。DCスマートは種類の異なるブラシが4本付属しますが、DC9000はプレミアムクリーンブラシヘッド1本のみ付属です。
DC9000と最上位のDCスマートを比べると、運転モード数、付属ブラシの数、アプリ機能(ブラッシング位置センシングの有無)といった差はありますが、本体の性能はほぼ同等です。1分間に約31,000回の高速振動によって、横に動くブラシが歯の汚れを払い落とし、音波水流が汚れをかき出すので、歯の間の汚れもしっかり落ちるとしています。また、過圧防止センサーを内蔵しており、歯ぐきに負担をかけるブラッシング圧になると振動で注意を促すため、手磨きよりも歯や歯ぐきへの負担が少ないというメリットも。
今回、オンラインで行われた新製品発表会では、東京国際クリニックの歯科院長を務める歯科医師、清水智幸氏が登壇。「手磨きも電動歯ブラシも適切な磨き方をすれば、どちらも歯垢はある程度除去できる」とコメントしながらも、電動歯ブラシのほうがより短い時間で簡単に歯垢を落とせるため、自分の患者には電動歯ブラシを推薦していると語りました。
清水氏は新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスにも言及し「インフルエンザなどの症例を見る限り、口の中をキレイにすることは、ウイルスや細菌によって引き起こされる感染症にかかるリスクを減らしたり、感染したとしても重症化を防ぐために大切」ともコメントしました(詳細は省きますが、口の中をキレイにすると、ウイルスの活動に必要な酵素を抑えられるとのこと)。