アイリスオーヤマが2017年に発売したエアコンは、6畳用と10畳用という寝室サイズでお手ごろ価格ながら、標準でWi-Fi機能を搭載しているのが特徴でした。そんなアイリスオーヤマが5月21日にエアコンの新モデル「ルームエアコン airwill GVシリーズ」(以下、airwill GVシリーズ)を発表。Wi-Fiやスマートスピーカーを使わずに、手軽に音声操作できるのが特徴です。

ラインナップは、おもに6畳用から15畳用までの4モデル。参考価格(税別、工事費別)は、6畳用のIAF-2204GVが60,800円、8畳用のIAF-2804GVが84,800円、11畳用のIAF-4004GVが99,800円、15畳用のIAF-5604GVが128,000円。発売日はいずれも5月29日です。

  • エアコン専用の音声操作リモコンを使用することで、設定なしで音声操作を可能とした「ルームエアコン airwill GVシリーズ」

Wi-Fiもスマートスピーカーも設定も不要、音声操作の便利さだけに特化

airwill GVシリーズの音声操作は、「ねえ、エアコン」や「はい、エアコン」のウェイクアップワードを発話したあと、「冷房にして」「エアコンを消して」といった操作キーワードを話すことで、電源オンオフや温度調整を行います。操作のたびにリモコンを探す必要がなく、子どもの抱っこ中や買い物帰り、あるいは料理中などで両手がふさがっているときでも手軽に音声操作できる点がメリットです。

  • 運転モードの変更や設定温度の上下など、音声であらかじめ決められた12種類の操作を実行

現在、音声操作ができるエアコンはさまざまありますが、一般的なエアコンは音声操作をするために自宅のWi-Fiルーターとエアコンを連携させたり、スマートスピーカーやスマートフォンのアプリと連携させるといった事前設定が必要です。

一方でairwill GVシリーズは、事前設定は一切必要なし。エアコン専用の音声操作リモコンによって、ルーターやスマートフォン、スマートスピーカーなどがなくてもすぐに音声操作できます。「音声操作は便利そうだけど、難しい設定ができるか心配」といった層にうれしい仕様です。

  • 標準で付属する、専用の音声操作リモコン。リモコン内に音声認識回路やマイクが内蔵されているので、特別な設定なしですぐに音声操作できます。音声を認識する距離は、仕様上は約5m。本体サイズはW68×D29×H85mmです。これとは別に、標準的なリモコンも付属します

ただし、airwill GVシリーズはシンプルな「音声による操作」のみ。よくあるIoTエアコンのように、外出先から自宅のエアコンを操作したり、スマートフォンのアプリで操作したりといった機能には対応していません。「外出先からも操作したい」「スマートフォンアプリで操作したい」といった場合は、スマートスピーカー対応モデルの「AWシリーズ」か、Wi-Fiモデルの「Wシリーズ」がすでに発売されています。

今回のGWシリーズによって、ITリテラシーのあるユーザーはAWシリーズやWシリーズ、設定いらずで音声操作の便利さを体験したいユーザーはGWシリーズと、選択の幅が広がったといえそうです。

部屋の状況をセンシングして、自動で冷房運転する機能も

airwill GVシリーズは、エアコンとしては標準的な性能ですが、特徴的なのが「みはりモード」を搭載しているところ。airwill GVシリーズのリモコン内に温度・湿度センサーが内蔵されており、みはりモード時に室内温度や湿度が一定以上になると、自動的に冷房運転がスタートします。お年寄り世帯や、子どもが留守番するときなど、熱中病対策としてうれしい機能です。

  • みはりモード中はエアコン本体中央が緑色に点灯。一定以上の温度や湿度になると、ランプが赤く点灯して冷房の自動運転がスタートします

  • みはりモードでは、室内温度が28℃以上になると冷房運転を開始。また、室温が23℃以上で一定以上の湿度がある場合も冷房運転します

アイリスオーヤマのエアコン、airwillシリーズ共通の機能として「おやすみモード」も搭載。これは、就寝時にエアコンで冷えすぎたり、温めすぎたりするのを防ぐモードです。たとえば、夏の冷房時なら就寝したあと一定時間ごとに1℃ずつ設定温度をあげ、起床に合わせて温度を下げる……といった運転を行います。

  • airwillシリーズ共通で搭載されている「おやすみモード」運転の動き