JR九州は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、今年の夏季期間(2020年7~9月)の臨時列車を現時点で設定しないことを明らかにした。統計が残っている1999年以降、夏の臨時列車を1本も設定しないことは一度もなかったという。
同社をはじめとするJR各社は例年、5月中旬頃に夏季期間(7~9月)の臨時列車の運転計画を発表している。JR九州も昨年、夏季期間に新幹線450本・在来線特急列車1,061本を運転したが、「今年の夏季期間の臨時列車は現時点では設定しないこととしました」と説明する。
その理由として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による列車の利用減少、「新しい生活様式」による帰省・旅行の自粛などを挙げる。九州内で緊急事態宣言が解除された後も、鉄道の利用状況は「引き続き低調な傾向」とのことで、現在の状況が続くことで、「臨時列車の運行がなかった場合でも、混雑が増し、密になる可能性は低い」との予測を示した。
ただし、今後の社会情勢の変化によって利用の見込みが立てば、夏季期間の臨時列車を設定する可能性もあるとしている。