コロナ禍が始まって以来、スーパーや薬局の店舗から多くのものが姿を消しました。そのひとつが除菌製品です。筆者宅では、普段からパストリーゼというアルコール除菌製品を愛用していましたが、店頭からもネット通販からも姿を消してしまいました。ストックはあるものの、次はいつ手に入るかはわかりません。しばらくは、可能な限り代わりの方法を交えて、細々と使いながら温存することにしました。
国立感染症研究所の旧サイトには、SARSコロナウイルスに対する情報として、「62~71%のアルコールや過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤で表面を消毒することで、コロナウイルスは1分以内に不活性化する」とあります。また、厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」には、「コロナウイルスは熱(70度以上で一定時間)及びアルコール(70%以上、市販の手指消毒用アルコールはこれにあたります)に弱いことがわかっています」とあります。消毒用アルコールなどを用いるのはウイルスを退治する手っ取り早い方法として知られるだけに、関連製品が品薄になってしまいました。
そこで、我が家で活躍しているのが、スチームクリーナーです。100℃以上の蒸気を噴射してガンコな汚れを落とせるお掃除家電ですが、同時に除菌効果を期待できるのがメリット。なおここでは、ウイルスを含めた微生物を減らすことを除菌とすることにします。
ウイルスにはエンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスがあり、新型コロナウイルスはエンベロープウイルスです。エンベロープウイルスは熱に弱いことでも知られています。新型コロナウイルスについてはまだわかっていないことが多いのですが、多くのウイルスや細菌はスチームクリーナーでも減少できると思われます。
北里大学の資料「動物とヒトのコロナウイルス ―2019新型コロナウイルスの流行を受けて―」(PDFファイルへのリンク)によると、「ウイルスは高温に弱い。60℃で30分間もしくは100℃で1分間加熱すると、ウイルスは死滅する」、「加熱はコロナウイルスの不活化に効果的(56℃、30分以上)」とあります。
同様の効果に期待が持てるのは、衣類スチーマー。筆者は以前から、スーツなど頻繁に洗えない衣類に関しては、衣類スチーマーで除菌していました。最近は外から帰ったあと、念入りに衣類スチーマーで除菌を継続。スチームクリーナーよりも小型で手軽に使用できるので、マスクなど小さなものの除菌にも向いています。
そう考えると、家庭には熱の力で除菌ができる家電はいくつもあります。たとえば、乾燥機能付き洗濯機もそのひとつ。8年前に購入した筆者宅の洗濯乾燥機にも、「消臭除菌」コースや「スチームアイロン」機能がありました。改めて調べてみたところ、筆者宅の洗濯機は、衣類乾燥時の温度は約60℃。乾燥機としては低温であるものの、槽内で時間をかけることで、熱による衣類の縮みや変形を抑えながら除菌できるので、繊維の種類や大きさなどに応じて使い分けています。
ほかにも、ふとん乾燥機など、除菌に役立つ家電製品を発掘できるのではないでしょうか。「そういえば最近使っていないかも」というような眠っている家電製品にも注目してみてください。