福はうち!「わが家の出産準備」

妊娠7ヵ月を過ぎて夏の暑さとともにつわりが落ち着いた頃、仕事用に借りていた小さなアトリエを解約し、自宅のダイニングの隅に専用の机とパソコンを置かせてもらいました。そこから1ヵ月ほどかけて、着ていて動きづらいワンピースも、いつかゆっくり読もうと思っていた長編小説も、子どもがよじ登ったら倒れてしまいそうな脚の細い椅子も全部処分して、2人ぶんの荷物であふれた1DKの部屋を3人ぶんの荷物が置けるようにひたすら断捨離!出来たスペースに、ベビーベッドとプラスチックの収納ケースを4つ置きました。

里帰りから帰ってきたらとっても忙しくなるらしいからと、専門の業者にお願いして水回りを一度すべてキレイに掃除してもらったり、ネットスーパーや宅配をスタートしてみたり、なるべく産後のタスクを減らすべく、お宮参りをする神社やお食い初めのやり方まで先回りして決めておいたり…。

出産前、それまで「赤ちゃん」という生きものにほとんど関わったことがなかった私には、子どものいる生活がどれだけ楽しいのかを想像しきれず、ちまたの噂で聞いた「育児はとっても大変」という声の方がずっと大きく響いていました。わが家の出産準備は、可愛らしいベビー用品をウキウキと選んでいる時間よりも、これから始まる未知の生活を恐れて産後の負担をいかに減らすかを考えている割合の方が多くなっていたように思います。