暮らしの困りごとを解決する総合プラットフォーム「生活110番」を展開するシェアリングテクノロジーはこのほど、クレジットカード比較サイト「クレジットカード忍法帖」にて、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う「緊急事態宣言下におけるキャッシュレス決済の意識変容」に関するアンケート調査を実施し、結果を公表した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、現金等の授受を通じた感染を避けるため、クレジットカードや電子マネーによる「キャッシュレス決済」は、今後更に注目を集めることが予測される。そこで同社は、一般生活者の間で実際に「キャッシュレス決済」に関してどのくらいの意識変容・行動変容が起こっているのかアンケート調査を実施。同調査は2020年5月初旬、20代以上の男女300名を対象に、インターネット調査にて行った。

  • コロナ禍の影響により、6割超が「現金」の受け渡しに心理的な抵抗を感じている

「コロナ禍の影響により、不特定多数が接触している現金の受け渡しに抵抗を感じるようになりましたか?」と聞いたところ、「強く感じる」が14.3%、「やや感じる」は49.7%となり、6割超がなんらかの心理的な抵抗を感じていることがわかった。

また、男女別で抵抗を感じている人の割合を見ると男性53.3%、女性69.5%となり、女性のほうが紙幣・硬貨に接触することへの抵抗を感じている割合が16.2ポイント多い。加えて、男性でも半数以上が現金の受け渡しに抵抗を感じていることになる。

続いて、実際にキャッシュレスへの移行という行動を起こしているのか、及び移行サービスの内容について調査した。「緊急事態宣言以降にキャッシュレス決済に移行したものがありますか?」と聞くと、「移行はしていないし、検討もしていない」は2.3%とごく少数だった。

  • 緊急事態宣言以前は現金で決済し、キャッシュレスに移行したものがある人は87.4%に

「クレカ/デビットカードに移行した」(31.7%)、「スマホ決済に移行した」(22.7%)、「QRコード決済に移行した」(18.3%)、「交通系ICカード決済に移行した」(14.7%)と、以前は現金で決済し、キャッシュレスに移行したものがある人は全体の87.4%と極めて高い数字となった。また、これに「移行はしていないが、検討はしている」(10.3%)も含めると95%以上がキャッシュレス決済への移行を考えているということになる。

新型コロナウイルス流行以前よりキャッシュレス決済への移行は国策として進められていたが、同調査においてコロナ禍によりその移行が加速している一面が読み取れた。これは不特定多数が接触している紙幣・硬貨を触ることを忌避するための動機だけでなく、現実的にインターネット通販やオンラインサービスへの決済で、キャッシュレス決済を利用する頻度が多くなったことも要因として考えられる。

キャッシュレス決済の移行先としてもっとも多かった「クレジットカード」だが、アフターコロナではその求められる像も変容する可能性がある。そこで、今後クレジットカードに求めるものを、現在各社クレジットカードが提供している新型コロナウイルス対策の中からリサーチした。

「アフターコロナに理想的と思えるクレジットカードは?」と尋ねたところ、「オンライン決済時にポイントが大きく貯まる」(39.7%)と「店員と接触せずに決済できる」(34.7%)が上位に。オンライン決済時のポイント付与が大きいカードは予想がつくものの、非接触型の端末にタッチするだけで決済できるクレジットカードへのニーズが34.7%と高い結果になったのが注目される。

  • 非接触型の端末にタッチするだけで決済できるクレジットカードは34.7%と高いニーズに

すでに数社のクレジットカードにて専用リーダーにタッチするだけで決済ができる「タッチ決済」機能を搭載したカードが発行されているが、このクレジットカードはスーパーマーケットやコンビニエンスストアでサインも暗証番号も不要で、接触することなく決済できる。今後、クレジットカードの機能として標準化する可能性が読み取れる。

一方で、同調査では16.3%が挙げている「オンライン決済時のセキュリティ性」がある。オンライン決済時にはクレジットカード情報が盗まれたり、不正利用されるセキュリティの問題は無視できない。IC機能がついたクレジットカードへの移行など、セキュリティ面でもクレジットカードに求められる像は変容していく可能性が読み取れる。

今回の調査では、コロナ禍がキャッシュレス決済ならびにクレジットカードの利用動態に影響を少なからず与えている一面を確認することができた。それにともない、アフターコロナの世界ではクレジットカードに求められる機能が変容する可能性も見て取ることができた。

この結果を受けて、同社では「これを機に、決済方法ならびにクレジットカードの必要性について見直してみてはいかがでしょうか」と結んでいる。