モータースポーツをテーマに、「Speed and Intelligence」をコンセプトとして展開するカシオの高機能メタルウオッチ「EDIFICE」。その最新モデルが、Bluetooth Low Energyでスマートフォン専用アプリとの連携機能を持つ「ECB-10」だ。
これをベースに、EDIFICEの20周年記念モデル第2弾としてレーシングチーム「TOM'S」(トムス)とコラボした「ECB-10TMS-1AJR」が登場。今回は、このECB-10TMS-1AJRの外観とディテールを写真でじっくりとお届けする。機能や仕様など詳細な情報については別記事『カシオ「EDIFICE」× レーシングチーム「TOM'S」、コラボモデル第2弾』をご覧いただきたい。35,000円(税込)で5月29日の発売予定。
トムスらしいスパルタンなレーシングアイテムのイメージを集約
EDIFICEの20周年記念モデルとして、HONDA Racingとコラボした「ECB-10HR-1AJR」を以前紹介した。今回のECB-10TMS-1AJRは、これに続く20周年記念モデル第2弾だ。
どちらもベースモデルは「ECB-10」。だからといって「パーツの色とバンドがちょっと変わっただけなのでは?」などと早合点するなかれ。ダイヤル構成ひとつとっても、ベースモデルとも違った、さらに第1弾のホンダレーシングコラボモデルとも違った新しいアプローチがなされている。
基本の文字板は前回同様カーボンだが、今回はその上に空冷エンジンのフィンを思わせるプレートをセット。EDIFICEとCASIOのロゴをプリントで表現した。このプレートと組み合わせる関係で、カーボン部分も実は厚みなどを勘案して新規設計となっている。
プレートのボーダーラインはベースモデルの雰囲気を汲んだものと思われるが、パーツは新規に作り起こしている。8時位置のスケジュールタイマーの文字板も新規パーツだ。TOM'Sのロゴが配置されたプレートは、ディスクブレーキのキャリパーがモチーフ。外輪はもちろんディスクロータと、モータースポーツのエッセンスがストレートに表現されている。
ベゼル内側の赤から黒へのドットグラデーションが印刷された見切りも、このモデルだけのオリジナルデザイン。これら「製品のアッセンブリーに影響するイレギュラーなパーツや工程」は、スペシャルモデルとはいえなかなか採用しにくいものだ。
しかも、ECB-10のケース厚はわずか12.5mmしかない。文字板とサファイアガラス風防の間の限られた空間で、可能な限り新しい表現を追求しようとする開発者の志が、ECB-10TMS-1AJRのダイヤルからは明確に伝わってくる。
ベゼルのミニッツマーカーは、第1弾モデルではレーシーなイタリックの数字フォントだったが、第2弾モデルはベースモデルと同様のフォントとなった。ただし、20周年記念を表す「20」の文字は赤でアクセントを強めている。
バンドは、ベースモデルにも採用されているコシが強めのマットなウレタンバンド。スパルタンなレーシングタイヤを彷彿とさせるデザインは、EDIFICEというブランドによく似合う。先端にカエシ状の突起があり、遊環のすり抜け防止に役立つ。この遊環も、EDIFICEとTOM'Sのダブルネーム入りの特別仕様だ。
第1弾に続き、ECB-10TMS-1AJRもまた赤と黒でまとめられているが、赤の色味はややマゼンタ寄りとなっている。赤と黒という明確な2色というより「赤から黒へのグラデーション」と書くほうが正確だろう。
カシオによれば、これはトムスの新ロゴのアポストロフィー部に使用されている、赤富士をイメージしたカラーリングであるという。赤のグラデーションは「革新」を表現し、赤富士はトムスのホームコースである富士スピードウェイから望む富士の印象的な姿でもある。
Bluetoothによるスマートフォンアプリとの連携機能をはじめ、自動時刻補正や自動タイムゾーン補正、スケジュールタイマーなどを搭載したECB-10は、まさに時計の革新でもある。ECB-10TMS-1AJRは、トムスとカシオ、両者のレースにかける情熱と技術、パートナーシップを具現化したモデルといえるだろう。