ヤマハは5月18日、ジュビロ磐田および清水エスパルスの協力で、同社が開発を進めるリモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」の実証実験を実施したと発表した。

  • 自宅などからスタジアムにアプリで声援を送信、臨場感などを検証

新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、スポーツイベントでも多くの活動が制限されている現状を受け、今回静岡県内に本拠地を構えるジュビロ磐田および清水エスパルスの協力を得て、無観客試合を想定した「遠隔応援システム」の実証実験を実施した。

使用したのは、スマートフォンアプリなどからボタンをタップしたり声を吹き込んだりすることで、離れた場所から観戦するファンやサポーターの声援をスタジアムで再生できる、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」。同システムを使い「ニコニコネット超会議」で自宅から声援を届けるシステムの共同実験も4月14日に行われている。

実験では、計58台のスピーカーをスタジアム各所に設置。ジュビロ磐田、清水エスパルスの両社オフィスなどから、スマートフォンを経由して、歓声や拍手、ブーイングなどの声援を送ったほか、特定の応援団のみがタップ操作でチャント(応援歌)を流せるようにし、チャントにあわせて参加者が手拍子を送る状態などの有用性を検証したという。

  • エコパスタジアムに多数のスピーカーを設置

この結果、5万人収容の大規模スタジアムでも十分な臨場感が得られることを確認できたほか、既存の設備やアナウンスとも調和が図れること、クラブごとに送音ゾーンを分けることで観客動員時に近い雰囲気作りが行えることなどを確認でき、「感染リスクを排除しながら試合を応援できるシステムとしての有用性を検証できた」という。ヤマハは同システムの開発・普及を進め、「安心・安全にスポーツ観戦を楽しめる環境づくりを推進したい」としている。