本作の魅力と、デビューから2年経ったいまの心境を聞いた――。
鮮烈な俳優デビューを果たした連続ドラマ『中学聖日記』(TBS)から早2年…21歳になった俳優・岡田健史が、5月18日にスタートするフジテレビの動画配信サービス・FODのドラマ『いとしのニーナ』(毎週月曜0:00最新話配信)で主演を務める。
原作はいくえみ綾の同名コミックで、岡田はこれまでにない不器用な“ヘタレ男子”役を演じ、新境地を開拓。そんな岡田を直撃し、本作の魅力と、デビューから2年経ったいまの心境を聞いた――。
【このインタビューは3月16日に実施しました】
■「重いテイストにはしたくない」
――いくえみ綾さんの原作は読みましたか?
今回の出演が決まってから読みました。正直に言うと、いくえみさんの作品は、『いとしのニーナ』しか読んでいません。でも、12年前に描かれたとは思えないほど、全く古くない作品で、そういう素晴らしい作品に携われたことが単純にうれしかったです。ただ、僕は漫画と実写化作品の世界観が、必ずしも一緒じゃないといけないとは思っていないので、原作は1回しか読んでないです。
――本作のストーリーからは、どんなことを感じましたか?
女子高生を拉致するという性犯罪のような入口から入る物語です。性被害というのはとてもデリケートな題材で、そういう意味では、非常に繊細な作品だと思いました。何も考えずに厚志役を演じることもできたけど、作品と役者との関係は、相手を知って自分を知るという鏡でもあると僕は思っているので、そこはちゃんと考えて演じたいと思いました。
ただ、監督とも話し合って「重いテイストにはしたくない」というのがチームの共通認識となりました。また、ドラマの質感を軽くできるのも、厚志の役割なのかなとも思ったんです。
――“ヘタレ”の厚志役にはどうアプローチしましたか?
役作りはしていないです。しいて言うなら、(クランク)インする前に、厚志の日常はすべてニーナ一色なんだろうなと考えていたことくらいです。たとえばご飯を食べるとき、ニーナが食べたらどんな顔をするだろうか?とか、いま、見上げている空をニーナはどう思うのかな?と、考えたりはしました。
――実際に撮影してみて、厚志をどんな人間だと思いましたか?
自分と誠実に向き合える人間です。一見、ヘタレですが、自分の悪い点や目を伏せたくなる点から目を背けず、戦える男の子だから、実はすごく強い人間なんじゃないかとも思いました。
■堀田真由がヒロイン役で「良かった」
――非常にチャーミングなニーナの印象はいかがでしたか?
分かりやすく言えば、あざとい(笑)。ニーナは、もともとそういう女の子ではないけど、女としての武器はちゃんと使いますよ、という子だと捉えました。僕自身が、ニーナを見てちょっとクラッとなり、ドキッとした部分は、厚志そのものなので、演じやすかったですし、ニーナ役が堀田(真由)さんで良かったなとも思いました。
――素直な厚志が、マサから嫉妬されたり、偽善者っぽく見られたりする点についてはどう感じましたか?
僕自身、今までは極端に自分の役のことだけを考えて演じてきたけど、今は見える世界が広がってきた分、いろんなことを考えたりします。だから、厚志をそう捉えるマサ側の言い分もわかりつつ、「お前にそんなことを言われたくないよ」という気持ちも理解できます。
自分も以前のようにまっすぐじゃなくなってきていると思いますし、悪くいえば「染まってきた」、良くいえば「分かってきた」という感じで、知的感情が芽生えてきた気がします。