東京メトロは新型車両導入などの費用を調達するため、同社で初という「サステナビリティボンド」(社債の一種)を今年6月に発行すると発表した。発行総額は100億円を予定している。
「サステナビリティボンド」は環境問題と社会課題の双方の解決につながる事業に必要な資金を調達するために発行される社債。今回、「東京メトロプラン 2021」で掲げた施策のうち、丸ノ内線の新型車両2000系の導入、ホームドアの整備、太陽光発電システム設置にかかる費用の一部を調達する目的で発行することを決めた。
このうち丸ノ内線2000系は、従来車両(丸ノ内線02系)より電力消費量を約27%削減し、「クリーン輸送」の実現に貢献。停電時には非常走行用バッテリーで最寄り駅まで自力走行できるほか、脱線時に自動で停止する装置を搭載するなど、すべての利用者が安心して利用できる輸送サービスをめざして開発された。2019年2月から運行開始しており、2023年度までに全52編成を導入する予定となっている。
今年3月時点で整備率76%となっているホームドアについても、今回のサステナビリティボンドを活用し、2025年度までに全駅での整備を完了させるという。
地上駅のホーム屋根などに太陽光パネルを設置し、発電した電力をエレベーターや照明などに使用する「太陽光発電システム」は現在、9駅で稼働中。2021年度末までに丸ノ内線四ツ谷駅、千代田線北綾瀬駅にも拡大する予定で、両駅での整備にもサステナビリティボンドで調達した費用の一部を充てる。