香港に本社を構えるカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ社は、スマートフォングローバル市場について2020年第1四半期の調査結果を発表。新型コロナウイルスの世界的な流行に伴って、世界のスマートフォン市場は2020年第1四半期、出荷ベースで前年同期比約13%縮小したとする。

  • 新型コロナウイルスの世界的な流行でスマートフォン市場が13%縮小

    業界1位のSamsungが大きく出荷台数を減らした

同社によるとスマートフォン市場は「過去にないスピード」で急激に縮小。2020年第1四半期の出荷台数は3億台を下回り、これは2014年第4四半期以来初めてのことだという。

スマートフォン市場において大きな割合を占めていた中国が新型コロナウイルス流行の中心地となり、2020年第1四半期では前年の同期比で27%も出荷台数が減少。世界的に流行が大きく波及していく中で、中国国内の消費からスマートフォンを製造するサプライチェーンにまで影響が及ぶようになったことが、結果的に世界出荷台数に大きな影を落としたと発表の中で同社は説明する。

さらに生産や物流、販売や営業など広く供給側で起こるようになった機能麻痺は、次に需要側に移りつつあるという。不安定な社会情勢の中で、消費者が高額な製品を買い控えるようになることで買い替えサイクルが伸びたり、小売がもとの形態に戻るには時間がかかることでオンラインでの購入が増えるようになるなど、購買行動にも変化が出ると分析。

一方で5Gスマートフォンの出荷シェアは、2019年第4四半期の1%から2020年第1四半期には8%まで伸び、「2020年の下半期には5Gの普及がスマートフォン市場の回復ペースを早める役割を果たすのでは」と同社のリサーチアナリストはコメントした。