Wi-Fi環境を持っていない人も多い
光回線およびプロバイダーとの契約を行い、自宅にWi-Fiルータを設置してあるような環境では、Wi-Fiに接続してZoomなどのビデオ会議アプリを使用すればよい。そうしたケースでは、スマートフォンではなくPCが使われることも多い。通信量は定額であることが多く、いくらWeb会議を行っても通信速度制限が発生するといったようなことは起こらない。
しかし、これが親元を離れて暮らしている学生であったり、単身で生活を行っている社会人、家族持ちでも単身赴任中など単身で生活しているといったケースでは、そもそも光回線およびプロバイダとの契約を行わず、スマートフォンだけで生活していることもある。
また、その住居で数年間しか生活しないことがわかっているなら、光回線やプロバイダー契約の手間や費用を考えて契約しないこともある。それに、4Gが普及した現在では、光回線ではなく4Gですべて済ませるというのは悪くない選択肢だ。そうなると、スマートフォンのモバイルデータ通信機能を使ってインターネットを利用することになる。
これまではそれで問題なかったわけだが、テレワークやリモート授業などが日常化して、日々Web会議を行うようになると、「通信速度制限」が大きな問題になる。
通信速度制限がかかってしまうと、Web会議どころではない。4Gのみでビデオ会議を行う場合、条件がよくても時折タイムラグが発生することがある。通信速度が制限されている環境では、動画はまともに使えないと思っておいたほうがよい。
ビデオ会議用のSIMカードを買うという策もあり
時間的にも予算的にも許されるのであれば、光回線とプロバイダーの契約を行い、Wi-Fiルータを設置するのが無難だろう。通信速度制限を気にする必要がないし、場合によってはこれまでよりも安定したインターネットの利用が実現する可能性がある(もちろん、集合住宅地では光回線を導入してもあまり期待できないケースもある。ケースバイケースなので、契約と導入は状況をよく調べてから行ったほうがよい)。しかし、契約含めて導入はそれなりに面倒である。
手軽な選択肢の1つはWeb会議用のSIMカードを用意することだ。一番簡単なのはプリペイドのSIMカードを買うことだろう。オンラインショップで注文できるし、対応するキャリアのものを選べばスマートフォンがSIMフリーである必要もない。もちろんSIMカード購入という費用は発生するが、これからどれだけWeb会議が行われるかわからないのであれば、とりあえずWeb会議用のSIMカードを買って使ってみるというのは悪くない選択肢ではないかと思う。費用を最小限に抑えつつ、当面の要求に対応できるのではないかと思う。
ある程度今後の見通しが立ったら、現在契約しているプランを変更して通信上限を引き上げるといった方法も取れるようになるだろう。どの程度の通信量が必要になるかがわかれば、プランを変更したほうがお得か、都度SIMカードを買ったほうがお得か、光回線を導入したほうがお得か、その辺りの計算ができるようになる。
おまけ - 自由度は上がるけれども明るさに気をつけて
モバイルデータ通信でWeb会議をする場合、Wi-Fiや有線が必要となるPCと違って、いろいろな場所からWeb会議ができる。以前、必要があって移動中に公園からWeb会議に参加したことがあった。
移動中に会議に参加できるし、便利だなと思っていたのだが、時間帯が夕方だったこともあって会議中に周囲がどんどん暗くなっていった。30分も経つとすっかり暗くなってしまって、自分の顔が認識できないほどになっていた。ある程度明るい場所でないとこちらの表情を相手に伝えるのは難しい。一定の照度が確保できない場所からWeb会議するなら明るさの確保は考えておこう。