アズジェントは5月13日、イスラエルのHysolateとディストリビュータ契約を締結し、クライアント端末のOS分離ソリューション「Hysolate」の販売を開始すると発表した。
「Hysolate」は、複数のWindowsやLinuxなどのOSを稼働させることが可能なクライアント端末向けハイパーバイザー。
代表取締役社長の杉本隆洋氏は、「新型コロナウイルスの影響で、企業ではテレワークの導入が進んでいるが、セキュリティの危機を招いている。なぜなら、これまではさまざまな対策によって、一定のセキュリティレベルが保たれていたが、今、パラダイムシフトが起きている。テレワークによって、従業員の自宅のPCを介して、企業のセキュリティが脅かされている」と語った。
同社はテレワーク時のセキュリティを確保するための策として、「Hysolate」を提供する。
テレワークを実施する際、社内ネットワークに接続するクリーン環境用の内部OSと、Web会議などのインターネット接続による脆弱性が懸念 されるダーティ環境用の外部OSを分けることで、ネットワーク分離を実施できる。この場合、外部OSにマルウェアが侵入しても、 OSが分離しているため、内部OSを経由した社内ネットワークへの侵害はない。
杉本氏は、「Hysolate」の特徴として、「高パフォーマンス」「操作性の高さ」「互換性」を挙げた。
テレワークを導入する際、アプリケーションやデータをサーバに集約して画面情報をクライアント端末に送信するVDI(仮想デスクトップ)が検討されるケースが多いが、VDIはクライアント端末が増えると負荷増大による接続不良や遅延が発生するといった課題を抱えている。
これに対し、「Hysolate」では、クライアント端末の各OSがハイパーバイザーのみを介して、端末のハードウェアリソースに直接アクセスするため、高いパフォーマンスを提供できるという。
また、「Hysolate」は生産性を確保するため、利便性と操作性に優れている。例えば、1つの画面で内部OSと外部OSの画面を表示できるため、画面切り替えによる煩雑さがない。加えて、内部OSと外部OSのシングルサインオンにも対応している。
さらに、クライアント端末のデバイスドライバに幅広く対応しているので、互換性が確保されている。
なお「Hysolate」は、テレワークのほか、自治体におけるインターネット分離においても有用だという。具体的には、LGWANにアクセスできるLGWAN OSとインターネットにアクセスできるInternet OSを「Hysolate」によって分けることで、インターネッ ト分離が行える。インターネットにアクセスする際には自動でOSが切り替わるため、画面の切り替えといった作業が不要になり、スムーズに業務を遂行できる。