不動産開発などを手がけ、鉄道事業も運営する山万は5月1日、千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンにて、オリックス自動車が提供するカーシェアリングサービス「オリックスカーシェア」を導入した。
山万は1971(昭和46)年のユーカリが丘ニュータウン開発当初から公共交通指向型開発に取り組んでおり、1982年には自ら鉄道事業免許を取得し、新交通システムを採用した山万ユーカリが丘線を敷設。ニュータウン内のすべての住宅を駅から徒歩10分以内に配置し、「歩いて暮らせる街」をめざし、開発を行ってきた。
分譲開始から30年が経過する頃には、ニュータウン内の高齢化と交通需要の多様化が進み、徒歩10分よりさらに短時間でアクセスできる交通網の整備が求められることに。そこで、山万ユーカリが丘線を補完する交通網として、電気バスによるコミュニティバスの運行を計画。すでに社会実験を済ませ、今年夏頃にはバス事業免許を取得し、本格的な地域バスの運行を開始する予定となっている。
こうしたシームレス交通体系整備の一貫として「オリックスカーシェア」が導入されることになり、既存の公共交通の駅前となる京成本線ユーカリが丘駅、ファミリー向け分譲マンションや有料老人ホームなどが立ち並ぶエリアである宮ノ台6丁目、一戸建て住宅が立ち並ぶ住宅地である西ユーカリが丘1丁目の3カ所を拠点に車両を配置。自宅と各公共交通機関・商業施設などのアクセスにカーシェアリングサービスを活用してもらい、マイカー使用の削減を図るという。