東京商工リサーチは5月7日、「新型コロナウイルス」関連倒産状況調査(5月7日現在)の結果を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは全国で120件(倒産86件、弁護士一任・準備中34件)に上ることがわかった。

経営破たん、35都道府県に拡大

  • 都道府県別破たん状況 5月7日現在(出典:東京商工リサーチWebサイト

「新型コロナ」関連の経営破たんは、2月2件、3月23件発生し、4月は84件と急増。増勢は5月も続き、全国35都道府県に広がっている。都道府県別にみると、東京都が最も多く28件(倒産23件、準備中5件)。次いで北海道12件(同12件、同0)、静岡県・大阪府が各7件、兵庫県6件、新潟県・愛知県が各5件と続き、緊急事態宣言で指定された「特定警戒都道府県」と隣接県で多発していることが確認された。

業種別では、インバウンド需要の消失や外出自粛による深刻な宿泊キャンセルが影響した宿泊業が29件(同18件、同11件)で最多。以下、飲食業16件(同12件、同4件)、アパレル関連11件(同5件、同6件)と続いたほか、自動車メーカーの操業休止により受注が減少した製造業、資材納入の遅れが響いた建設業、「3密」のパチンコ店やカラオケ店など、幅広い業種で発生している。

同調査では、「経営破たんは、小・零細企業、中小企業から中堅企業に広がっている。(中略)政府は各種支援を打ち出すが、長引く営業自粛で小・零細企業、商店の疲弊は加速しており、一刻も早い支援が求められる」としている。