2020年5月7日、ASUSTeKは14型で約870gの軽量ボディを実現したモバイルノート「ASUS ExpertBook B9 B9450FA」を発表した。14.9mmの極薄ながら、タフな作りで、第10世代のCore i7を搭載するなど高性能。モバイラーを唸らせる完成度だ。
ASUSTeKのASUS ExpertBook B9 B9450FAシリーズは、14型の液晶ディスプレイを採用しながら、1kgを切る軽さと14.9mmの極薄ボディを実現、さらには高い性能と長時間バッテリー駆動も実現とモバイラーを満足させる要素を凝縮したような1台。CPUのグレードとバッテリ容量によって4モデル用意されているが、今回はその中からCore i7と2セルのバッテリを搭載する「B9450FA-BM0295TS」を試用する機会を得たので、さっそくレビューをお届けしたい。
まずは違和感すら覚える軽さに驚く
ASUS ExpertBook B9 B9450FA-BM0295TSを手に取ってまず感じるのは強烈な軽さだ。重量はわずか870g。筆者の実測では853gしかなく、14型のディスプレイを採用するモデルではトップクラスの軽さ。これにPCのパーツがすべて詰まっていることに違和感を覚えるほどだ。
それでいながら性能はまったく犠牲にしていない。CPUにIntel最新の第10世代Coreプロセッサ(コードネーム:Comet Lake)のCore i7-10510Uを採用。4コア8スレッドで動作クロックは1.8GHzだが、Turbo Boost時で最大4.9GHz(1コア時)という高いクロックで動作。さらに、4コアでも最大4.3GHzで動作が可能だ。メモリはLPDDR3-2133を16GBと十分な容量が搭載されている。ストレージも1TBのNVMe SSDを搭載。一般的な用途であれば、容量不足を感じることはないだろう。なお、グラフィック機能はCPU内蔵のIntel UHD Graphicsだ。
ディスプレイは14型のフルHD液晶。映り込みのないノングレア仕様だ。パネルの種類や視野角は公表されていないが、上下左右から見ても色の変化は感じない。かなり広い視野角が確保されている。また、左右のベゼル幅はわずか4mmと極薄。画面占有率は94%に達する。これにより、サイズは14型ながらW320×D203×H14.9mmとコンパクト。13.3型のノートPCクラスと言える。
これだけの薄さと軽さながら耐久性にも優れている。落下や高温、低温などハードなテストのクリアが必要となるMIL-STD 810GグレードのMIL規格(米軍の機材調達基準)に準拠。天面と底面にはマグネシウムリチウム合金、パームレストにはマグネシウム合金を採用し、基板にはラバークッションを備えるなど薄型軽量でもタフに使える工夫が凝らされている。
キーボードはキーピッチ18.75mm、キーストローク1.5mm。この薄さで、これだけのキーストロークが確保されているのに感心する。EnterキーやBackspaceキーの小ささはやや気になるが、全体としては配列にクセもなく使いやすい。さらに、ぐらつきや全体のたわみもほとんどなく、さすがマグネシウム合金という剛性だ。バックライトも備えており、暗い場所でもタイピングしやすい。また、右下には指紋センサーも備えており、Windows Helloを使って指紋によるログインも可能だ
タッチパッドは非常にユニークだ。NumberPad 2.0と呼ばれるものを採用しており、右上のアイコンをタッチするとテンキー型に点灯。そのままテンキーとして使用できる。また、テンキーを点灯させた状態でもマウスカーソルの操作は可能だ。左上から右下方向にスワイプすると電卓が起動できるのも便利。計算や数字入力をしたいときにはいいだろう。
また、ディスプレイを開くとヒンジ部が底面を持ち上げて、約5度の傾斜を作り、タイピングしやすくエルゴリフト構造もポイント。底面の後方が持ち上がるので、放熱にも役立つ仕組みと言える。
バッテリー駆動時間は公称で約15.1時間(JEITA測定法2.0)とかなりの長時間駆動が可能だ。実際に輝度50%の状態で、PCMark 10のバッテリーテストをオフィス関連の処理を中心としたプロファイル「Modern Office」で実行。バッテリー100%から残り3%までで11時間25分となった。連続した処理でこの駆動時間なので、一般的な使い方であれば十分15時間持つだろう。さらに、急速充電に対応し、わずか39分で60%まで充電が行えるのも魅力と言える。
ちなみに、今回試用したのはバッテリが2セルのモデルだが、4セル搭載のB9450FA-BM0295TSでは、そのほかスペックは同様で公称約29.8時間までバッテリ駆動時間が延びる。その代わりに重量は約995gにアップ。軽さよりも駆動時間を重視するなら、こちらのモデルもいいだろう。
インタフェースはヘッドセット端子とUSB 3.1 Gen2を備える。左側面にはThunderbolt 3×2、HDMI出力を搭載。Thunderbolt 3はACアダプタによる充電にも使用する。microHDMIポートも用意されているが、これは付属する有線LANアダプタ用で映像出力には使えない。無線はIEEE802.11ac/ax/a/b/g/nに対応といわゆるWi-Fi 6をサポート。Bluetooth 5にも対応している
テレワークにも最適だ。ディスプレイの上部にはWebカメラに加えて、4つの集音マイクも備え、ビデオ会議で相手にクリアな音声を届けられる。底面にはharman/kardonブランドのステレオスピーカーを搭載。出力は1W×2と小さいので迫力は無いが、低音も聞こえやすかった。