GIGABYTEはIntel Z490チップセット搭載マザーボード・ラインナップを発表した。新たに登場したデスクトップ向けIntel第10世代Coreプロセッサファミリ(Comet Lake-S)は従来のLGA1151ソケットからLGA1200に変更されるとともに、サポートするチップセットもIntel 400シリーズとなる。

GIGABYTEのIntel Z490搭載マザーボードは電源、冷却、安定の3つを特徴に掲げる。

電源ではハイエンドモデルの電源回路部でサーバーグレードの90AのSmart Power Stage(MOSFET内蔵)やタンタルコンデンサを採用している。タンタルコンデンサはCPUソケット周辺、VRM部分の裏面、メモリソケット部分の裏面などに配置されており、ESR特性、高周波特性にすぐれ高負荷時の電圧リプルを低減すると言う。

電源設計で特徴的なのがウルトラハイエンドモデルを中心にフェーズダブラーを用いた16フェーズ/14フェーズ設計、12フェーズ以下のハイエンドモデルでダブラーなしのダイレクト駆動設計を用いている点。ウルトラハイエンドモデルではデジタルPWMコントローラ下にダブラーを置きSmart Power Stage、チタニウムポリマー・チョークを通じCPUに電源供給を行なう。

冷却ではハイエンドモデルのヒートシンクにFins-Array IIを採用。従来のStacked-Finは比較的フラットなFin形状だったが、Fins-Array IIでは立体的な造形を加え、これが整流板として機能し放熱効果が向上したという。合わせて熱を伝えるヒートパイプ部分も従来の6mm径から8mm径へと大型化した。また、ベースプレートに放熱性が高まると言うナノカーボン・コーティングが施されている。

安定性ではAORUSシリーズモデルでメモリ配線のシールドを強化。非貫通型のSMT DIMMソケットを採用することで電圧リプルを抑え応答性を向上したという。

これ以外に、PCI Express 4.0級部品を採用しているという。PCIe 4.0対応クロックジェネレータやマルチGPU用のスイッチチップやリドライバを搭載し、PCI Express x16スロットやM.2スロットで利用できる。Intel Z490および第10世代CoreはPCI Express 3.0までのサポートだが、将来的にPCI Express 4.0対応CPUが登場した際に利用できるという触れ込みだ。

AORUSハイエンド

ハイエンドに位置するのはZ490 AORUS EXTREMEとZ490 AORUS MASTER。

EXTREMEはシリーズ最上位モデルでE-ATXフォームファクタ。90AのSmart Power Stageを採用した16+1フェーズ電源回路を搭載している。VRMヒートシンクはFins-Array II仕様。ナノカーボン・コーティングのベースプレートも採用している。ほかにも、オンボーロコネクタやヘッダー類をマザーボード右端に集約し、水平に挿せる「Right-Angled Connectors」を採用し、見た目もスッキリとさせられる。

ネットワークは有線LANがAQUANTIA製10GbEとIntel製2.5GbE、無線LANがIntel Wi-Fi 6 AX201。ほか、Thunderbol3をバックパネルに2ポート装備。オーディオはRealtek ALC1220-VBに、フロント側がESS ES9218P(DAC:USB Type-C外付け型)、リア側がESS ES9018K2M(DAC)とTI OPA1622(オペアンプ)という組み合わせだ。ストレージはM.2スロット×3、Serial ATA 3.0×6。

MASTERは14+1フェーズ電源回路(90A Smart Power Stage+タンタルコンデンサ)。EXTREME同様にFins-Array IIヒートシンクと大口径ヒートパイプを採用している。大型ではあるがATXフォームファクタ。

ネットワークはIntel製2.5GbEとIntel Wi-Fi 6 AX201。Thunderbolt3はヘッダーでの対応となり別途アドオンカードが必要。オーディオはRealtek ALC1220-VBにESS ES9118EQ(DAC)の組み合わせ。ストレージはM.2スロット×3、Serial ATA 3.0×6。

  • GIGABYTE、Intel Z490マザーボード8モデル - 電源、冷却、安定強化が特徴

    Z490 AORUS EXTREME

  • Z490 AORUS MASTER

AORUSミドルレンジ

AORUSのメインストリームモデルは3モデル。うちZ490I AORUS ULTRAはMini-ITXモデルだ。ATXモデルにはZ490 AORUS PRO AXとZ490 AORUS ELITEがあり、こちらは12+1フェーズ電源回路に50A Dr.MOSを組み合わせている。

ATXモデル2つの違いを挙げると、上位のAORUS PRO AXはFins-Array IIヒートシンクと大口径パイプというハイエンド同様の構成でAORUS ELITEはソリッドタイプのヒートシンク。有線LANもAORUS PRO AXはIntel製2.5GbEだがAORUS ELITEはRealtek製2.5GbE。AORUS PRO AXにはIntel製Wi-Fi 6無線LANが搭載されている。そのほかにも各部違いがある。なお、メモリスロットの金属カバーを装着するモデルはAORUS ELITE以上とのこと。

ほか共通点では、Thunderbolt3は両モデルともヘッダーのみで利用する場合はアドオンカードを追加する必要がある。ストレージはM.2スロット×2、Serial ATA 3.0×6。

Mini-ITXのZ490I AORUS ULTRAはフェーズ数こそ8+1となるがハイエンドモデル同様に90A Smart Power Stage、タンタルコンデンサを採用。Mini-ITXとしては大型のヒートシンクを搭載している。ネットワークもIntel製2.5GbEとIntel製Wi-Fi 6と、ベース部分はかなりハイエンド寄りだ。ストレージはM.2スロット×2、Serial ATA 3.0×4。そのほか、フロントUSB 3.2 Gen2 Type-Cヘッダーを搭載し、メモリスロットは金属カバー付き、Thunderbolt3はヘッダー含め非搭載。小さくてもPCI Express 4.0対応をうたう。

  • Z490 AORUS PRO AX

  • Z490 AORUS ELITE

  • Z490I AORUS ULTRA

VISIONシリーズ

VISIONはクリエイター向けモデルで従来のDESIGNAREを受け継ぐシリーズと思われる。新製品はZ490 VISION Dの1モデルで、Intel Z490搭載VISIONシリーズでは上位モデルとされる。

電源回路は12+1フェーズ(50A Dr.MOS)とメインストリーム向けAORUSに近く、ヒートシンクはStacked-Fin形状を採用しており、冷却性能を重視。クリエイター向けでニーズの高いThunderbolt3は2ポート実装されている。ネットワークは有線LANがIntel製2.5GbE、無線がIntel製Wi-Fi 6対応。このように安定性重視の構成をとる。オーディオもSABRE 9118(DAC)とWIMA製コンデンサを搭載する。

  • Z490 VISION D

そのほかスタンダードシリーズなど

Z490 UD ACはスタンダードモデル。UDシリーズに属する。11+1フェーズ電源回路となり、MOSFETは50A仕様のPPAK。有線LANは1GbEのRealtek RTL8118で無線LANはIntel Wi-Fi AC 9462、オーディオはRealtek ALC887という組み合わせ。一方で一体型バックパネルやPCI Express x16スロットに金属カバーを被せるなどUltra Durable仕様。そしてPCI Express 4.0対応設計だ。ストレージはM.2スロット×2、Serial ATA 3.0×6。

Z490M GAMING Xはコストパフォーマンス志向のゲーミングモデル。フォームファクタはmicroATX。11+1フェーズ電源回路にPPAKといった仕様はZ490 UD ACに近く、ゲーミング向けのヒートシンクデザインやIntel製1GbE有線LAN、Realtek ALC1200オーディオなどを採用している。メモリスロットも4本中2本に金属カバーが見られ、PCI Express x16スロットも金属カバー付き。これもPCI Express 4.0対応設計とされる。ストレージはM.2スロット×1とSerial ATA 3.0×6。

  • Z490 UD AC

  • Z490 GAMING X