政府は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑制するために発出した「緊急事態宣言」について、当面の期限としていた5月6日以降も継続する方針を固め、対象地域を全国としたまま、5月31日まで延長することを正式に決定。このあと5月4日18時頃から、安倍首相の記者会見を首相官邸TwitterやFacebook、YouTube、Instagramでライブ配信する。

【5月4日17時35分追記】政府は、緊急事態宣言を5月31日まで延長することを正式に決定、追記しました。

  • 緊急事態宣言延長へ、首相記者会見を18時からネット生中継

    緊急事態宣言延長へ、首相記者会見を18時からネット生中継

4月7日に発出した緊急事態宣言は東京や大阪など7都府県を対象としていたが、その後、4月16日に北海道や愛知県等の6道府県を加え、特定警戒都道府県に指定。また、宣言の対象地域を全都道府県へ拡大した。

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、5月1日に「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を公表。緊急事態宣言によって「新規感染者数は減少傾向に転じるという一定の成果」が確認されたが、引き続き接触機会の低減や、重症者・死亡者の増加を防ぐための医療提供体制の拡充を進める必要があるほか、新規感染者数が限定的となった地域でも、再度のまん延が生じない ようにするために、長丁場の対応を前提とした「新しい生活様式」 の定着が必要、との見方を示した(詳細PDF)

安倍首相は、この専門家会議の提言を受けての会見の中で、「緊急事態宣言の下、日本では諸外国のような爆発的な感染拡大を逃れており、一定の成果が現れ始めている。一方、累積の感染者は1万人を大きく上回り、医療現場は依然厳しい状況にあることから、当面引き続き国民の皆様の協力が必要であるというのが専門家の見解だ」と説明。

現在の緊急事態宣言を1カ月程度延長する方針を固め、西村経済再生担当大臣に対して、専門家の意見を聞きながら、地域の感染状況に対応した対策を速やかに調整するよう指示。「最終的には、各地域の感染状況、また最新のデータを、専門家に十分に検討いただいた上で意見を聞き、5月4日に決定したいと考えている」と述べた。

【5月4日17時35分追記】

安倍首相は5月4日17時頃、政府の対策本部に出席し、緊急事態宣言を5月31日まで延長することを正式に決定したと発表。

「5月14日をメドに、専門家に状況を改めて評価していただく。地域ごとの感染者数の動向や医療提供体制の逼迫状況を詳細に分析していただき、可能であれば期間満了を待たずに緊急事態宣言を解除する考えだ」と述べ、「これからの1カ月は緊急事態の終息のための1カ月であり、次なるステップに向けた準備期間である」として、引き続き国民への理解と協力を求めた。