社会人になると、お給料やボーナスなど、学生時代よりも多くのお金を得ることができます。そのお金で、今まで育ててくれた親へ感謝の気持ちを込めて食事をごちそうしたり、恋人との記念日の旅行に行ったりと、想像するだけで胸が高鳴りますね。そんな時、「クレジットカード」があれば支払いはスムーズにでき、ポイントも貯まるので一石二鳥です。
そこで今回は、この春新社会人になった方向け、クレジットカードを作る際に気になる点や、おすすめのカードについてクレジットカード会社ジェーシービー(以下JCB)の清水洋平さんに聞いてみました。
Part1.クレジットカードはなぜ必要?
2018年に日本人クレジット協会が発表した「大学生に対するクレジットカードに関するアンケート」によると、大学生のクレジットカード所有率は約50%でしたが、同協会が2019年に実施した「令和元年度 若年層社会人に対するクレジットカードに関するアンケート調査」によると、社会人の1~5年目の所有率は92%となっています。
このように、社会人になればほとんどの人が持つようになる「クレジットカード」。そもそもどうして必要になるのでしょうか、また実際に作る時にはどのような手順が必要なのでしょうか。
――社会人になるとカードを使うシーンはどう変わる?
「人による部分も大きいとは思いますが、個人的には普段の生活費や飲食代をクレジットカードで支払う機会が増えました。就職を機に一人暮らしをするようになった方の場合であれば、家賃や公共料金の支払いをクレジットカード払いにすると、定期的に一定のポイントが貯まっておトクです。あとは同僚や友達との飲み会の際にも、誰かがまとめてクレジットカードで支払い、その後それぞれが割り勘金額をスマホアプリやネットバンキングで送金することで、スムーズなお会計のやりとりをする機会が増えました」
社会人になるのを期に、一人暮らしを始める方も多いでしょう。今までは親がお金を管理し、困った時は助けてくれたかもしれませんが、社会人になるとそうはいきません。また、会社の付き合いなど、外食をする機会も多くなります。そんな時、スマートに支払いを済ませられれば、デキる社会人に一歩近づけそうですよね。
――学生カードと社会人カードでカードに違いはあるの?
「学生用カードかどうかに関わらず、職業欄を学生としている場合、JCBでは、学生であることやその他情報も含め、総合的な判断のうえ、利用可能枠の上限を設定させていただいております」
普段の生活の支払ではあまり気づかないのは、このような違いだったからなのですね。では、学生から社会人に職業欄などが変わる際、変更手続きなど必要なのでしょうか。
――学生カードから社会人カードへの変更手続はいる?
「学生が入会条件であるようなカードでなければ自動切り替えとなるため手続きは不要です。ANAカード(学生用)など、学生であることが入会の条件となっているカードに関しては、卒業のタイミングで一般カードに自動切替となるものが多いです。さらに、カード情報の変更には特に親権者の承諾などは不要です。仮に未成年の方がクレジットカードに入会される場合は、カードお申込時に親権者の同意が必要となります」
社会人になったからといって、手続きがいらないのは助かりますね。もし、カード情報の変更が生じた場合は、手軽にwebでできるそうなので、時間をみつけて最新の情報に更新しておきましょう。
――社会人カードはいつから申し込みができる?
「社会人でないとお申し込みできないというカードはあまりないのですが、ANAカードのような学生用カードがある一部のカードについては、社会人にならないと一般カードにお申し込みができない場合があります。その場合は、卒業したタイミングで申し込みが可能です。申し込めば、カード受付の混雑状況やその方の審査状況によってもかわりますが、オンラインで口座設定をしていただくと比較的早く、およそ1週間程度でお届けできることが多いです。また、カードの種類によっては最短で翌日にお届け可能なものもあるので、気になる方はぜひ調べてみてください」
最短で翌日に届くカードもあるのには驚きです。しかし、安心して新生活を始めるために、余裕をもってカードが届くまでの日数を考え、必要なお金を確保しておきましょう。
Part2.クレジットカードはどうやって作る?
学生時代からカードは持っていたけれど、社会人になったし、もう1枚くらい持っておいて方が安心かなと考えたり、自分のお金の管理をしっかりしなければと考えたりする方は多いと思います。そんな時クレジットカードは、webで支出の管理ができるだけでなく、数々のスマホ決済との紐づけが可能です。
しかし、「よし、作ろう」と思って申込欄を見ても、どう書けばいいのだろかと思う箇所がいくつかあります。そこで、新社会人が抱きがちな、申込書欄に関する素朴な疑問にも聞いてみました。
――まだ配属先が決まっていない時、住所欄はどうすれば?
「お申し込み時点でお住まいの住所を記載していただき、入会後、配属によって住所が変更となる場合は住所変更のお手続きをお願いします」
住所変更をしていないと、大切なお知らせなどを見逃してしまう可能性もあります。配属先が決まったらすぐに変更するようにしましょう。
――年収欄には何と記入すればいい?
「就職先の内定をもらっている場合や就職をした後でも、原則前年度の1年間のご収入(アルバイト代含む)の実績をご記入ください」
前年度の給与情報などがわかる「源泉徴収書」。わざわざ学生時代のバイト先に電話をして送ってもらったり、地元に戻って取りに行ったりするのは面倒ですよね。入社する際に提出を求める企業もありますが、必要書類を確認して、余分に1枚準備しておきましょう。
――上限はいくらに設定するべき?
「ご希望のご利用限度額を記入いただいても、ご申告いただいた年収等の情報をもとにカード会社で総合的に判断したうえでご利用限度額を設定させていただくため、ご希望に添えない場合がございますが、限度額の変更は、電話や『MyJCB』などの会員専用WEBサービスで申し込みが可能です」
上限設定を可能な限り引き上げていると使いすぎてしまったり、本当に必要なものが出てきても買えなくなったりしてしまうかもしれません。限度額の変更の申し込み自体はネットなどで手軽にできるので、自分の給料と支出のバランスがある程度つかめてくるまでは、低めに設定しておくのも社会人生活を楽しむひとつの手です。