厚生労働省は4月30日、LINEによる「新型コロナ対策のための全国調査」第1~3回の分析結果を公表した。合わせて、第4回「新型コロナ対策のための全国調査」を2020年5月1日~2日の期間で実施することも予告した。

  • 第1~3回「新型コロナ対策のための全国調査」の結果(厚生労働省の報道発表資料より)

LINEは厚生労働省と協力して、2020年3月31日から順次、新型コロナウイルス感染症のクラスター対策を目的としたLINEアンケートを実施している。これまで第1回~第3回までを実施しており、直近となる第3回(2020年4月12日~2020年4月13日に実施)では、アンケートを送信した83,297,823人のうち、23,779,431人の有効回答があった(回答率28.5%)。

厚生労働省は調査の結果、緊急事態宣言後に密閉・密接・密集の「3密」を回避している人が増加している一方、オフィスワーク業務のテレワーク実施率が全国平均で27%にとどまっていることなどがわかったとした(ただし調査は15歳以上が対象)。

厚生労働省では、LINEによる第1~3回の全国調査のまとめとして次の4点を挙げている。

  • 4月7日の緊急事態宣言後、密閉・密接・密集の3密回避の徹底は、全国的に広がりを見せている。しかし依然と、回答者の半数は難しい状況である。

  • 3密回避のそれぞれの項目で見ると、「他の人と、近い距離での会話や発声をしないようにしている」が最も実施が難しい結果である。

  • 緊急事態宣言が最初に発令された7都府県は全て、4月12~13日時点の3密回避の実施率が、全国平均よりも高い結果。

  • オフィスワーク中心の業務(事務・企画・開発など)の場合、全国でテレワークの導入は4月12~13日時点で27%と、緊急事態宣言前に比べ大きく伸びたものの、政府目標の「7割」にはまだ届いていない。

  • テレワークの導入には都道府県で大きく差があり、東京都で最大52%だが、5%未満の県も多くみられた。

なお同省は、調査結果を見る際に、LINEユーザーのみが対象であることや、感染症予防の意識が高い人ほど回答する傾向があるといった、回答者の属性や調査事態の偏りを考慮する必要があると注意している。