アマゾン ウェブ サービス ジャパンは4月23日、テレワークを支援するAWSサービスを紹介する記者説明会をオンラインで開催した。レディネス&テックソリューション本部 本部長/プリンシパルソリューションアーキテクトの瀧澤与一氏は、テレワークを実現するために活用されているサービスとして、以下を挙げた。
- 仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」
- コンテンツ共有サービス「Amazon WorkDocs」
- 仮想コンタクトセンター「 Amazon Connect 」
- Web会議サービス「Amazon Chime」
- リモートネットワークアクセスサービス「AWS Client VPN」
- デスクトップアプリケーション配信サービス「Amazon AppStream 2.0 」
「Amazon WorkSpaces」はクラウドサービスであるため、数分で利用を開始すること、1台から利用することが可能であり、現在のような緊急事態においてもすぐに導入することができる。課金形態は、月額料金と時間料金が用意されている。利用可能なデスクトップ環境も、Windows 7/10 、Linux、GPUインスタンスと多彩だ。
瀧澤氏は、「Amazon WorkDocs」とセットで利用されることが多いサービスとして、「Amazon Connect」を紹介した。同サービスは、拡張可能なSDKを含む、フルマ ネージド型のファイルストレージだ。 追加のソフトウェアなしで、ブラウザからOfficeドキュメントの作成および編集が行え、リアルタイムでOfficeドキュメントの共同編集にも対応している。
管理者は、ユーザー、監査、共有とサイト、コンプライアンスのコントロールが行える。
「Amazon Connect」は、オムニチャネル対応のコンタクトセンターをAll in Oneかつ従量課金で提供するもの。オンプレミスであれば数カ月かかるコンタクトセンターのセットアップを簡単な数ステップで完了でき、コールを受けることが可能であるほか、Webとモバイルのすべてのビジネスアプリケーションから利用できるため、オペレータは音声とチャットで同一のインタフェースで操作可能だ。
ホームセンターを運営するカインズは、コンタクトセンターシステムを刷新する際にAmazon Connectへ移行したが、30分でCTIの立上げ可能である即時性、SalesForce CRMの連携できるなどの拡張性、カスタマイズ性を評価して、 Amazon Connectを選んだという。
「Amazon Chime」はWeb会議だが、瀧澤氏はZoomで脆弱性の修正が相次ぎ、攻撃が増えていることを踏まえてか、「コラボレーションツールは安全性が重要。Amazon Chimeは暗号化、監査ログなど、セキュリティを確保する機能がそろっている」と語った。
会議の招待に meet@chime.aws を 加えるだけで自動的に会議が開始でき、 VoIPと公衆電話回線も利用することができる。ビデオ会議システムとの 互換性もあるため、ワンクリックでデジタル会議室とビデオ会議が行える。16人のビデオ表示をサポートしている。
「AWS Client VPN」は、AWS上に配置されたClientVPNのエンドポイントを経由し、 オンプレミス内のシステムへの接続を可能にする。滝澤氏は「一般的に、企業でVPNを使う際、VPNルータというハードウェアを利用することが多いが、AWS Client VPNであれば、ハードウェアは不要。また、VPNルータで暗号化できる接続数は限られているため、テレワークのユーザーを増やすとなると、機器を増強する必要がある。これに対し、AWS Client VPNでは、接続数を自動的にスケールアップまたはスケールダウンできる」と説明した。
「Amazon AppStream」は、デスクトップアプリケーションを集中管理し、任意のコンピュータのブラウザへ安全に配信する。メリットとしては、「既存アプリを変更することなく、インポートしてストリーミングできること」「1ユーザー1インスタンスで、インスタンスが他のユー ザーに共有されないこと」などがある。アプリケーションのインポートは、AWSコンソールで簡単に行える。