新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、自宅で勤務するテレワークや業務のWeb化が進んでいる。人との接触や移動を伴わないWebでのやりとりは、ウイルスの感染対策として極めて有効だが、慣れないWeb商談・会議での思いがけない相手の行動に、不快な思いをしたという経験はないだろうか。

今回は、マイナビニュース会員305人にアンケートを実施し、「Web商談・会議で、嫌な気持ちになった相手の行動」について聞いた。

  • Web商談・会議、嫌な気持ちになった相手の行動って?

Q.あなたは仕事において、Web商談・Web会議を行ったことがありますか?

「はい」(67.5%)
「いいえ」(32.5%)

Q.Web商談・Web会議中、相手の行動で嫌な気持ちになったことはありますか?

「はい」(27.7%)
「いいえ」(72.3%)

Q.Web商談・Web会議で、嫌な気持ちになった相手の行動を具体的に教えてください

■「態度が失礼/会議に集中していない」

・「会議に飽きている感じが伝わる」(43歳男性/サービス/その他技術職)
・「興味のなさそうな顔をしている」(37歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「あからさまに、同時に違うことをしてるのが見えてしまった」(40歳男性/通信関連/営業関連)
・「あくび、よそ見など、おそらく見られていないと思ってるのかと……」(40歳男性/教育/公共サービス関連)
・「ペースが合わずに、相手が合わせようとせずに、タイムラグをそのままにする姿勢を取り続けられた」(44歳男性/サービス/専門サービス関連)
・「その場に居ないから、ある意味遠慮がなくなったのか、わざわざ出向いていただいてありがとうとの感謝の気持ちが薄れているのか、なんだか味気なくなってしまった感が否めない」(47歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)
・「画面越しに飲食される」(46歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)

■「時間を守ってくれない」

・「時間通りにアクセスできなかった」(45歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「開始時間が過ぎても、参加者が出て来なかったことがある」(48歳男性/流通・チェーンストア/IT関連技術職)
・「自分も失敗したことだが、約束の時間になってもアクセスされなかった。後で聞いた話では、システムの関係でなかなか接続されなかったらしい」(40歳男性/その他/事務・企画・経営関連)

■「表情が読みにくい/意思疎通が難しい」

・「ニュアンスが伝わりにくいので、後できいたら本人に悪意はまったくなかったらしいが、こちらには(Web越しでは)攻撃的に聞こえる発言を一方的にされた」(49歳女性/教育/事務・企画・経営関連)
・「直接対面よりも、相手の表情が気になる」(45歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/技能工・運輸・設備関連)
・「反応が読めず、意見もなく、状態の把握がしにくいことがあった」(30歳男性/リース・レンタル/営業関連)

■「勝手に退出や終了をされた」

・「通信を勝手に切られた」(30歳男性/食品/その他技術職)
・「相手に退出されてしまった」(36歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)

■「機材トラブルがあった」

・「エラーでアクセスできなかった」(40歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ハウリングがひどい」(46歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「通信が途切れて、うまく意思が伝えられなかった」(34歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)

■「その他」

・「笑い声が聞こえた」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「凄く騒がしく、聞き取りづらかった」(41歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「音声通話だけの応対しか認められなかった」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「同僚のアクセスがなく、その矛先として自分が責められた」(39歳男性/流通・チェーンストア/営業関連)

■総評

調査の結果、Web商談・Web会議中、相手の行動で嫌な気持ちになったことがある人は27.7%と、3割弱の割合となった。

嫌な気持ちになった相手の具体的な行動としては、「態度が失礼」だったり、「会議に集中していない」といったことに不快感を抱いたという体験が多く寄せられた。

物理的に、同じ空間にいるわけではないという安心感や気の緩みから、ついつい油断して気の抜けた表情や態度を取ったり、会議の本筋とは関係のない行動をしてしまったりといったことは、自身への戒めとしても必要なことだろう。

また、「時間を守ってくれない」ことに嫌な気持ちを抱いたという人もいた。「時間通りにアクセスできなかった」というクレームが典型的なものだ。ただしこれはWebの特性上、「機材トラブルがあった」というケースと表裏一体の部分があり、時には判断が難しい。

先に挙げた「態度が失礼」にもつながるが、「勝手に退出や終了をされた」も実際に顔を突き合わせて行うフィジカルな商談や会議ではまず起こり得ないだろう。「表情が読みにくい」や「意思疎通が難しい」なども、Webならではの距離感の掴めなさが、あらぬ誤解や不快感を生んでいる可能性があるかもしれない。

「その他」での、「笑い声が聞こえた」や「凄く騒がしい」も、通常の会議であれば気にならない日常音が、Webという環境ゆえにクローズアップされてしまうという側面もあるだろう。

Web商談・会議は昨今、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために急速に浸透し始めたということもあり、Web会議上の振る舞いや礼儀、作法などはまだ明確に確立していない部分がある。Webでのやり取りがいっそう一般化するに従って、今後マナーなどもより整備されていくのかもしれない。

調査時期: 2020年4月14日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 305人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません