メルシャンは4月22日、ワインにホップを浸漬させた新感覚のクラフトスパークリングワイン「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」を発表。「カジュアルスパークリング」という新しいカテゴリーを打ち出した。価格はオープン、参考価格は610円(税別)。6月2日(火)より全国販売を開始する。
ホップ浸漬技術によるスパークリングワインの新ジャンル
キリンホールディングスの国内最大手ワインメーカー、メルシャンの「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」は、ワインとホップを使ったスパークリングワイン。世量は500mlで、アルコール度数はワインより低めの8%。
ビールのホップを梅酒のようにワインの中にひたすという独自のホップ浸漬技術を採用しており、メルシャンのワイン醸造技術と梅酒浸漬技術、キリングループのビール開発におけるホップ活用技術を用いることで、これまでにない香りと味覚、後口を実現しているという。
開発を担当したメルシャン 生産・SCM本部藤沢工場技術課の赤宗行三氏は「グラスを近づけたときにすっと立ち上がるグリーンな香り、まろやかな口当たりと口中にふわりと広がる華やかなホップの香り、そして続く、やわらかな心地良いほのかな苦み、ブドウの爽やかさとすっきりとした後切れ」とその味わいを表現する。
ホップを使用しているがゆえに、洋風メニューはもちろんのこと、スーパーのお総菜の定番や、居酒屋メニューともよく合うという。赤宗氏は焼き鳥の缶詰とのマリアージュを提案するとともに、「塩味が強く油を含んでいる料理とホップの心地よい苦味が好相性。焼き鳥のおいしさを下支えしつつ、焼き鳥の油をすっきりとさせてくれる。ポイントは油。油脂を含んでいるスイーツなども合う」と料理との合わせ方を説明した。
また、手ごろな価格、飲み切りやすいサイズで提供していることから「オンライン飲み会などの宅飲みにもおススメ。ワイングラスを用意せずとも、タンブラーなどで気軽に飲んでいただきたい」と話す。
新カテゴリー「カジュアルスパークリング」
近年、ワイン市場の間口縮小が進む中、500mlのスパークリングワイン販売数量は前年比約1割増と成長を続けているという。マーケティング部長の前田宏和氏はスパークリングワイン人気の理由として、ワイン独特の渋みや酸味が少ないという「飲みやすさ」、料理を選ばない「食事への合わせやすさ」、祝いの席の乾杯主という「幸せの演出」を挙げる。
中でも2019年にメルシャンが投入した「おいしい酸化防止剤無添加 シードル」は、累計販売本数160万本を突破。スパークリングワインは低価格帯・高価格帯が伸長するという二極化の傾向を見せている。
一方でスパークリングワインは「特別な日に楽しむ」という印象が強く、通年需要を得にくい。メルシャンはこの状況を「若年層への間口拡大のチャンス」ととらえ、購入しやすいサイズと価格のスパークリングワインを拡充を進める。ワイン・RTD(※Ready to Drink/栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)とは異なる独自のポジションとして 「カジュアルスパークリング」という新しいカテゴリーを創出し、ワイン市場の拡大を図っていくとする。
これに合わせ、ロングセラーブランドのデイリーワイン「ビストロ」シリーズのスパークリングとして昨年発売された「ビストロ スパークリング」も5月下旬よりデザインを一新。2020年は、カジュアルスパークリングの販売数量として前年比約2倍の22万ケース(※換算量: 500ml×12本)を目指す。
新型コロナの影響で高まる宅飲み需要
新型コロナウイルスのまん延によって自宅待機を余儀なくされる人が増え、2月下旬以降、業務用のアルコール飲料が大きな低下を受けている一方で、家庭での消費量が伸びている。
メルシャンはワインを「人と人をつなぐ飲み物」「人と社会をつなぐ飲み物」とし、アフターコロナの状況下において重要な飲み物と位置づけ、ノンアルコール・ワインテイスト飲料・ 低アルコール商品を程よく楽しむ「スロードリンク」を推奨。
さらにシャトー・メルシャン特設サイトでは、4月24日(金)より世界のワインの作り手たちの思いをリレー形式で伝える「Social Distance doesn’t mean We aren’t together! ~海外のワイナリーとエールを交換~」を配信予定。世界中にメッセージとエールを送る。