俳優の稲垣吾郎が、女性ファッション雑誌『GLOW』(宝島社)と朝日新聞社による共同事業、「Aging Gracefully(エイジンググレイスフリー)」プロジェクトの新たなアンバサダーに就任した。3年目を迎えた同プロジェクトにおいて、初の男性アンバサダーとなる。23日の朝日新聞全国版朝刊には、プロジェクト発表を伝える広告 “「新しい大人」へ、ご一緒しましょう。”が掲載され、4月30日発売の『GLOW』6月号では表紙に稲垣が登場する。
「Aging Gracefully」(以下「AG」)とは“優雅に年を重ねる”という価値観を指し、女性の2人に1人が50代以上といわれる現在の日本で、加齢に対する新しい価値観を広めていきたいという考えから2018年よりプロジェクトをスタート。初年度のアンバサダーは吉田羊、2年目はYOU・大塚寧々、そして3年目は稲垣吾郎が務める。
40代、50代女性は、ワーキングシングルや専業主婦、子どもの有無など様々なライフコースが存在する中、ロールモデルを見出しづらい状況がある。AGをより浸透させるためには女性のみならず、男性にも関心を持ってもらい、あらゆる立場の人が安心して年齢を重ねられる社会をつくることが大切と考え、今年のアンバサダーは初の男性となる稲垣を起用した。彼自身が大きく働き方を変えた経験から、笑って100歳を迎えるための「ライフシフト」の視点もふまえ、豊かなエイジングについて向き合う。
稲垣は「20代、30代は勢いで走り抜けた。嵐の中にいた。かけがえのない時間だったけど、もう同じことはできない。46歳の今、好きな服、好きな人、囲まれていたいものとか、自分のスタイルができあがっている。皆、それぞれありますよね。大人になると。でも、スタイルにこだわって暗示をかけちゃっているとしたら怖い。オンリーワンの、芯の部分は変えなくてもいいから、マイナーチェンジというか、アップデートというか、変化は必要だと思う」とコメント。
「若い人を見ていてうらやましいなと思うこともあるけど、それだけじゃない。結局、歳とともに人の魅力は深みを増すってことだと思うんです。当たり前のことなんですけど(自分で言ってて、自分に励まされてます)。だから自分の殻に閉じこもらず、色んな人としゃべって、もっと変化を楽しみたい。話すと整理されていくこともあるから。変わることを楽しめる『新しい大人』へ。性別も年代も超えた皆さんと集まって励まし合い、与え合うこのプロジェクトはいいなって思います。そのお手伝いができたらうれしいですね」と語っている。
なお、特設WEBサイトでは、稲垣のメッセージ付きメイキング映像や、稲垣のインタビュー、撮影現場レポートを発信していく。
以下、稲垣のインタビューダイジェスト。
(前略)2017年、『新しい地図』を立ち上げたことで、僕自身にはとても大きな変化が起こりました。まず、なんといっても、立ち止まっていろんなことを思考できる時間的な余裕が生まれたこと。ひとつの仕事にゆっくり向き合って取り組める今の状況は、僕にとって理想的なかたちです。今までなかなかできていなかった、周囲への目配りもできるようになってきました。
そして、新しい自分を発見できたこと。たとえば、僕はグループにいたときは、あまり自分から積極的に話すタイプではありませんでしたが、今はラジオやテレビ番組などで、MC的な役割を依頼されることが増えてきました。そういうことは自分にはできないだろうと、ずっと思っていたんです。でも、やってみるとすごく楽しい。もともと人と話すことは好きですし、自分で言うことではないかもしれないけど、ちょっと人たらしなところもあるし(笑)。それは人のことが好きだからそうしているわけですが、状況の変化によって発見した新しい個性を、今は自分でも楽しんでいます。
(前略)つねづね、女性のほうがいろんな面を持っていて、人間として複雑で、そのぶん豊かだなぁと僕は感じています。すごいなと思うのは、人生のステージで、魅力が変化すること。20代は可愛らしかったのが、30代で美しくなって、40代になると華麗さや妖艶さが増してきて、どんどん聡明で充実した人間になっていく。さらに、女性の顔、母の顔といろいろな表情も持っていて……それに比べると、男はずっと変わらず、単純かもしれない(笑)。
もちろん、50代、60代になれば可愛くなくなる、美が衰えるということではなく、年代ごとにチャームポイントが移り変わりながら、魅力の深みが増していくということ。Aging Gracefullyって、きっとそういうことなんじゃないでしょうか。(後略)