「宝くじ付き定期預金」という商品をご存知でしょうか。その名の通り、宝くじが付いてくる定期預金のことです。宝くじ付き定期預金は、一般的に、預入金額に応じて受け取れる宝くじの枚数も変わりますが、定期預金を利用するだけで宝くじがもらえるなんて嬉しいですよね。

本稿では、宝くじ付き定期預金を作成することでもらえる宝くじの種類や受け取り方、預金口座の作成方法、定期預金の金利などについてまとめてみました。

  • 「宝くじ付き定期預金」とは

「宝くじ付き定期預金」について

<宝くじの種類や枚数は?>
宝くじ付き定期預金でもらえる宝くじは、ドリームジャンボ、サマージャンボ、年末ジャンボ等のジャンボ宝くじです。ただし、宝くじ付き定期預金の内容は、販売している銀行や金融機関によって異なるため、詳細の確認が必要です。

最も大きな違いとしては、預入金額に応じてもらえる宝くじの枚数でしょう。たとえば、300万円の預入に対し、A銀行では宝くじが30枚もらえますが、B銀行では15枚ということがあります。預入金額や預入単位も、150万円以上150万円単位、100万円以上3,000万円以下で100万円単位など、銀行によって様々です。

また、もらえる宝くじの種類も、銀行により条件が異なります。たとえば、C銀行でははじめから各ジャンボ宝くじから決められた枚数がもらえるのに対し、D銀行では預入金額に応じてもらえる宝くじの種類が増えるといった具合です。ちなみに、連番のみという銀行が多いですが、連番とバラが選択できる銀行もあります。

<宝くじやお金の受け取り方は?>
宝くじ付き定期預金は、付与される宝くじの受け取り方に特徴があります。一部の銀行では、宝くじの現物が受け取れますが、多くの場合、「保護預かり」といって、現物は銀行で保管し、宝くじの番号を記載したハガキを預金者に送付する方法がとられています。

なお、宝くじ付き定期預金で宝くじをもらうには、各銀行が定めている「基準日」までに定期預金を作成していることが条件となります。保護預かりされている宝くじが当選していた場合には、当選金の換金を銀行が代行してくれ、銀行口座に振り込まれます。

<宝くじ付き定期預金を作成するには?>
宝くじ付き定期預金は、どの銀行でも購入できるわけではなく、多くは地方都市に本店がある銀行で販売されています。では、その地方に住んでいる人でないと利用できないのかと言えば、そうでもありません。

宝くじ付き定期預金を販売している多くの銀行では、全国どこでもインターネットで口座開設の申し込みでき、定期預金もネット上から作成できます。ただし、一部の銀行では、窓口受付のみや、申し込みできる人の地域が限定されている場合もありますので、注意が必要です。

<宝くじ付き定期預金の金利は高い?>
宝くじが付いている定期預金といっても、定期預金としての金利も気になるところです。たとえば、静岡銀行インターネット支店の宝くじ付き定期預金では、預入期間3年で、預入金額300万円未満の場合、0.010%の金利が適用されます。同行の「スーパー定期」では、同じく預入期間3年、預入金額300万円未満の場合は0.110%の金利が適用されることと比べると、金利の面では劣るといえるでしょう。

しかし、宝くじは10枚に1枚は末等の300円が当たります。たとえば、静岡銀行インターネット支店では、年3回、宝くじ付き定期預金の残高150万円につき5枚の宝くじがもらえます。仮に300万円を宝くじ付き定期預金に預ければ、年間30枚の宝くじが受け取れることになり、最低でも「300円×3枚=900円」が当選金として振り込まれます。さらに、宝くじ1枚300円の購入代金も考慮するなら、「300円×30枚=9,000円」がお得になっています。

300万円の預入で1年間に得られる利息300円に加え、末等の当選金や宝くじの購入代金を加えて計算すると、「(300円+900円+9,000円)÷300万円=0.34%」です。このように考えてみると、もし宝くじが末等以上の当選をしなくても、実際より高い金利で定期預金が利用できることになります。

定期預金で安全に運用しつつ宝くじがもらえ、「もしかしたら当たるかもしれない」というワクワク感も得られるなら、宝くじ付き定期預金をお金の預け先候補として挙げてもいいかもしれません。

なお、2013年には、東葉銀行インターネット支店の宝くじ付き定期預金で、7億円の当選者が出て話題となりました。さらに、2019年には、静岡銀行インターネット支店の宝くじ付き定期預金でも3億円の当選者が出ています。預金をするだけで宝くじがもらえて、さらに億万長者になれる可能性があるなら、何とも夢のある話ですね。

口座開設は余裕をもって申し込もう

宝くじ付き定期預金は、銀行や金融機関によって定期預金やもらえる宝くじの内容が異なりますので、まずは詳細を見比べてみましょう。ただお金を預けるだけでなく、プラスアルファの楽しみがあると、預け先を考えるのも心が弾むものです。

なお、インターネット上で口座を開く場合は、申し込みから口座開設まで2~3週間ほどかかります。宝くじがもらえる「基準日」に間に合うよう、余裕をもって申し込みましょう。