調査会社のGfK Japanは4月22日、新型コロナウイルスの感染が広がった2020年2月以降の家電市場の販売動向を発表した。外出自粛で家族そろって過ごす時間が増えたことで、ホットプレートやたこ焼き器、ホームベーカリーなどの“巣ごもり家電”の販売が増えたことが明らかになったほか、テレワークの広がりを受けてパソコン用の液晶ディスプレイが好調に売れていることも分かった。
テレワークで液晶ディスプレイもヒット
感染の広がりを受け、家電量販店でまず売れたのが電子体温計。2月上旬にクルーズ船での集団感染がニュースになったタイミングで、感染の有無を確認するために検温の需要が高まったとみられる。販売本数は、2~3月に前年の3.1倍にも高まったほか、2月24日の週は前年の7.5倍にもなった。
次いで売れたのが空気清浄機。特に、適度な湿度を保つことが感染予防につながるとして、加湿機能付きの空気清浄機が前年比で39%増となった。加湿機能なしの製品を含む空気清浄機全体でも、前年の18%増に伸びた。
休校要請などで外出自粛のムードが高まると、家族そろって使える“巣ごもり家電”が好調に売れるように。特に売れたのが、ホットプレート・たこ焼き器(前年比35%増)、ホームベーカリー(前年比22%増)。
3連休が明け、週末の外出自粛要請が出された3月23日の週になると、日持ちする冷凍食品などをスーパーでまとめ買いするニーズが高まり、冷凍庫の販売台数が伸張。3月23日の週は前年比2.9倍、翌週は前年の4倍も売れた。
外出自粛要請でテレワークに移行するビジネスパーソンが増えてくると売れたのが、オンライン会議で必須となるUSB接続のWebカメラやパソコン用液晶ディスプレイなどのIT機器。3月は、Webカメラが前年の4.1倍も売れた。ディスプレイは前年の32%増だが、関東甲信越地区に限れば前年の51%増にもなった。
家電量販店はインターネット販売が急伸
2020年3月の家電量販店の販売金額は、店頭が前年比で13%減となったのに対し、インターネット販売は18%増と急伸した。外出自粛が広がったことに加え、休業する量販店が増えたことが要因とみられる。