新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、政府が日本国内に住む人を対象に、一律10万円を給付する「特別定額給付金(仮称)」。総務省と警察庁はこの給付金について「自治体や総務省が、個人情報や銀行口座の番号をメールなどで問合せることはない」として、詐欺への注意を呼びかけている。

  • 10万円給付「個人情報や口座はメールで問合せない」、総務省など注意喚起

    10万円給付「個人情報や口座はメールで問合せない」、総務省など注意喚起

総務省では給付金について、注意喚起のPDFを公開。「個人情報」や「通帳、キャッシュカード」「暗証番号」の詐取への注意を呼びかけ、特別定額給付金の給付のために、市区町村や総務省がATM操作をお願いしたり、手数料の振込みを求めることは「絶対にありません」と強調。

また、「現時点で、市区町村や総務省などが、住民の皆様の世帯構成や銀行口座の番号などの個人情報を電話や郵便、メールでお問合せすることはありません」として、自宅や職場などに市区町村や総務省などをかたった電話がかかってきたり、郵便やメールが届いた場合、最寄りの市区町村や警察署に連絡するよう呼びかけている。

警視庁犯罪抑止対策本部(@MPD_yokushi )のTwitterアカウントも4月21日、「給付金10万配布につき、お客様の所在確認」という見出しのメールが出回っているとして、詐欺メールの画像を公開。メール添付のURLにはアクセスしないよう、注意喚起した。

10万円給付の申請は「郵送」「オンライン」の2種類

「特別定額給付金(仮称)」の申請・給付の方法について、総務省は4月20日の閣議決定を踏まえ、概要をWebサイトに掲載した。

  • 「特別定額給付金(仮称)」の概要(総務省Webサイトより)

    「特別定額給付金(仮称)」の概要(総務省Webサイトより)

給付対象者は、「基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者」。受給権者は、「その者の属する世帯の世帯主」となっており、対象者1人につき10万円を給付する。

給付金の申請方式は「郵送」と「オンライン」の二通りを基本とし、マイナンバーカードを持っている人は、政府が開設しているWebサイト「マイナポータル」からオンラインでの申請が可能になる。

給付は原則として、申請者の本人名義の銀行口座への振込みにより行う。やむを得ない場合に限り、窓口における申請と給付を実施。その際、受付窓口の分散や消毒薬の配置といった感染拡大防止策の徹底を図るという。

受付や給付開始日は、市区町村において決定。郵送、オンラインそれぞれに受付開始日が設定され、申請期限は、郵送申請方式の申請受付開始日から3カ月以内。また、コールセンターを設置して相談を受け付ける。

なお、「特別定額給付金(仮称)」の実施にあたっては、令和2年度補正予算案の成立が前提となる。令和2年度補正予算(第1号)案に計上された事業費は12兆8,802億93百万円。