JR貨物は15日、安全への取組みとして鉄道総合技術研究所と連携し、実用化を進めている「動的軌間・平面性測定装置」について、この装置をJR貨物のハイブリッド機関車HD300形に取り付け、車両基地内で走行試験を実施したと発表した。

  • 試験時のHD300形

貨物駅構内におけるレールのゆがみの程度(軌道変位)は、列車の荷重がかかっていない状態で定められた周期で測定しているが、鉄道総合技術研究所が開発している「動的軌間・平面性測定装置」の実用化により、列車の荷重がかかった状態での検測の頻度を上げ、安全性の向上を図ることができる。

「動的軌間・平面性測定装置」は、レールのゆがみ(軌道変位)のうち、低速走行時の脱線に影響を及ぼす軌間・平面性に特化した動的値の測定を可能とする。軌間はレールに帯状のレーザー光を照射し、カメラで撮影したレール形状を画像処理して検測。平面性はレール形状の画像処理と角度センサーを用いて検測する。

  • 検測センサー取付状況

走行試験は2月4・5日、新鶴見機関区(神奈川県川崎市幸区)構内にて実施。HD300形に「動的軌間・平面性測定装置」を取り付け、走行試験を行った区間において、おおむね高い精度で測定できることが確認された。今後は実用化に向け、検測精度向上と耐久性試験を行う計画としている。